@マナです。
本日はリップル、XRPについて。
ripple.comのサイトが大幅変更されてシンプルになっていた。同時に、XRPを利用するシステムのxRapidが、On demand liquidity(ODL)に名称変更されたそうだ。
リップル社の中の人がツイートしていました。
Rippleのウェブサイトのコンテンツ変更で既にお気付きの方もいるかと思いますが、これまでのx系の個別プロダクトから、まずはRippleNetというネットワーク基盤ありきで、その中で(特定コリドーでは)流動性のオプションとしてOn demand liquidityを選択できる、というフレームワークになりました。
— Emi Yoshikawa 🌎 (@emy_wng) 2019年10月1日
つまり、これまでxRapidと言われていたものがOn demand liquidityと呼ばれるようになり、略称はODLです。ODLを使うにしても、従来型の流動性スキーム(prefunding)を使うにしても、送金メッセージング部分などそれ以外は同じ仕組み(プラットフォーム)です。
— Emi Yoshikawa 🌎 (@emy_wng) 2019年10月1日
これにより、初めは従来の流動性スキームでRippleNetを活用している金融機関も、将来的にODLにスイッチする場合、シームレスに行うことができます。(ODLのavailabilityのタイミングは各国の規制状況などにもよるので)
— Emi Yoshikawa 🌎 (@emy_wng) 2019年10月1日
つまり、今までリップルネットワークのxCurrentと、XRPを使うxRapidが別々だったのが、リップルネットに統合されて、ユーザーはどっちを使って送金できるかを選択できるようになったわけだ。
このニュースを受けて、リップル信者は盛り上がっている様子だ。中には意味不明のこじ付けで、”いつもの”創造サクセスストーリーを乱発する者もいた。
信者らがSNSでこぞってシェアする。まるで、これが素晴らしいニュースであるかのように。いつもの展開である。
巧妙なマーケティングで攻めるリップル社
さて、ここからは本件に関する私個人の雑感だ。
2018年1月のバブル絶頂を境に、XRPの相場はひたすら下落相場となっている。
元々は市場参加者の勘違い&リップル社が勘違いさせる&買い煽りマーケティングを行った事によるバブル相場だったわけで、下がり続けて当然と言えば当然なわけだ。
「あぁ、私が思っていた事、私が認識していたストーリーは、本当は違っていた」と気付いた人から順に市場から抜けていくのはXRPに限ったことでない。下落相場を描き続けているプロジェクト暗号通貨は全てそうだ。日本市場でその最たるものはNEM(XEM)だろう。
で、だ。今回xRapidをリップルネットに統合したことは、非常に巧妙であると言える。
何故か。
まず2017年の上げ相場時は、「銀行がリップルネットに参加」というニュースが流れれば相場が上昇していた。だが蓋を開けてみれば、xCurrentというXRPを使わないシステムへの参加だった。ここを理解せずに勘違いした市場参加者が多かった。
2018年以降は、xCurrentとXRPを利用するxRapidが別のシステムだという認識が広まった。この事で、「〇〇がリップルネットに参加」というニュースが流れても相場はまったく反応しなくなった。
そして2019年10月、xRapidがリップルネットにODLとして統合された。リップルネットに参加するユーザーは、XRPを利用した国際送金が選択して利用できるようになると言う。
ということは、だ。「大手〇〇がリップルネットに参加した」というニュースが出れば、市場参加者は「XRPを利用することになるかもしれないのだ!」と思うようになる。だがこれはあくまで”かもしれない”だ。
選択するのはリップルネットのユーザーである。そしてXRPを購入するだろう市場参加者は、「XRPがさらに使われるようにかもしれない」という思惑が大きくなり、買いの動機が大きくなる可能性が増すわけだ。
リップル社は「利便性を追求した結果、システムを統合した」と言えば良いだけであり、XRP相場が上昇しようが下落しようが、リップル社は何の責任を負う事も無い。自分の意思で判断して買うのは市場参加者なのだから。
XRP利用促進のカギは国の規制である
ただね、前から書いているように、一番のカギは各国の規制である。
リップル社の中の人のツイートをもう1度貼り付けておく。
これにより、初めは従来の流動性スキームでRippleNetを活用している金融機関も、将来的にODLにスイッチする場合、シームレスに行うことができます。(ODLのavailabilityのタイミングは各国の規制状況などにもよるので)
— Emi Yoshikawa 🌎 (@emy_wng) 2019年10月1日
↑お分かりだろうか?確かに、統合したことでシームレスに行うことはできるだろう。だが各国の規制が整わない限り、XRPを用いた国際送金は実現しにくいのである。(特に銀行の場合は)
まぁ、facebookのリブラを政府がぶっ潰すかわりに、「法定通貨の利権を維持するために、XRPを使うように世界中で規制を整えようか」なんていう展開が1%くらいあるかもしれないがな。それも面白いストーリーではある。
初心者は今後ご注意を
特に仮想通貨市場に参加した初心者に注意して欲しいのは、リップル社やXRP推しの人のポジショントークに乗らないことだ。彼らはデメリットはほとんど語ることは無い。
自分に都合の良いニュースだけ取り上げて、それがあたかも素晴らしい事のように語るスキルは一流である。困ったことに、リップル社やXRPの好材料はSNSで多くシェアされることも多いので、初心者は凄いことのように勘違いしてしまう。
今回リップルネットにODLが統合されたことで、XRPホルダーらはより一層ポジショントークを強める可能性が高い。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。