青色事業者で仮想通貨取引をした場合の確定申告記述方法

【2017年4月18日に情報追記しました】

こんにちは、青色個人事業者の@マナです。
仮想通貨(暗号通貨)の課税についてはまだちゃんと法整備されていないので、いろんな情報が交錯しているようですな。

毎年3月に確定申告書類を提出するわけですが、慌てず済むように申告の方法、仕訳け・記帳の方法なんかを税務署や税理士に聞いて参りましたよ。

ちなみに、この記事は青色事業者向けに書いていますが、サラリーマンしながら仮想通貨取引をやっている人も基本的に同じです。開業届けを出していないサラリーマンや主婦さんは白色申告書で提出すればOKです。

本業がある場合は仕訳け・記帳の必要は無し

まずはじめに、本業があってサイドビジネスとしてビットコインなどの仮想通貨(暗号通貨)の取引をしているのであれば、仕訳け・記帳は必要無いそうです。

本業とはあくまでも別会計ってことです。
ただし、取引履歴は年ごとにファイリングしておく必要があります。税務署によっては確定申告時に取引履歴の提出を求めてくるそうなので、覚悟しておきましょう。

本業の銀行口座から取引所にお金を移動させた場合は?

本業で使っている銀行口座から取引所にお金を移動させた場合は、”事業主貸”で処理してくださいとのこと。(これは青色事業者の場合です。白色は不要です。)

「仮想通貨取引は本業とはあくまでも別会計になるから、生活費みたいな感じでやってちょうだいね」ということです。

freeeの仮想通貨仕訳け

クラウド会計ソフトだと事業主貸っていう項目があるので、移動させたお金はこれで処理しておきます。

クラウド会計freeeの仮想通貨資金移動

ウチでは3月に1100万円を事業用のジャパンネット銀行から取引所に移動させたもんだから、支出が凄いことになってます。(頼む、このまま赤字にはならんでくれ)

勘定科目は雑収入(雑所得)で処理

ここから先は青色・白色共通です。
勘定科目は雑収入(雑所得)で処理とのことです。

いろんなブログを見ると「譲渡所得にすると控除が50万円あるから、そっちで申告した方がお得」と書いていたりしますが、私が聞いた税務署と税理士さんからは「雑所得でございますよ(にっこり)」と満を持して言われてしまいました。

つまり、仮想通貨(暗号通貨)取引で得た利益では控除は一切受けられませぬ(苦)。
ビットフライヤーさんの説明でも「雑所得で」って書いてますね。

損をしたらマイナス申告はできるのか?

そして恐ろしいのが、仮想通貨(暗号通貨)取引で損をしたらマイナス申告はできないとのこと。

株だと譲渡損は3年間繰り越せるんですが、仮想通貨では残念ながらこれが無し!

「1年を通して利益が出たら課税するけど、トータルでマイナス損失になっても確定申告には含めちゃダメよ」
っていう鬼制度だそうです。

1~12月のトレードを合計して円建てでマイナスになっていたら、確定申告は不要です。

【追記】でも税務署によっては意見が違うことも

とはいえ、2017年4月現在では雑所得扱い・譲渡所得扱いどっちで申告するべきかは、税務署によって意見がバラバラのようです。

私が相談した税理士さんも「地元の税務署に聞いたら雑所得でと言われた」と仰っています。(ちなみに広島の税理士さん)
私が住んでいる場所は東北ですが、こっちの税務署からも「雑所得で」と言われました。

ですが、「こつこつニュース」さんのブログ主さんの記事では譲渡所得扱いでと言われているようです。(詳しくは元記事を読んでくださいね)

この記事にコメントしたくださった方も、譲渡所得で申告して受け入れられたとのことですから、どっちで処理して良いかは地元の税務署に聞いて指示通りにされるのが間違いないと思います。

税務署によって申告方法が異なることは昔からよくあることなので、御上の言われた通りにすれば間違いありません。
ちなみに裁判も裁判所によってやり方が違うんですよ。日本はそんな感じです(‘ω’)

コインチェックブログの見解

ちなみにコインチェックブログでは「譲渡所得の方がお得でっせww」と書いているうえに、「5年以上長期保有していた場合は長期譲渡所得扱いにできるから半分の課税で済みまっせww」と書いています。

ですが、元記事の最後の締め括りが

もちろん、「通貨」とみなされればFX取引と同様に申告分離課税対象の雑所得になる可能性も否定できませんが、現時点でビットコインは「通貨ではなく、モノである」との政府見解が示されている以上、金投資口座における売買益が、ビットコイン売買益に最も近いのではないでしょうか。

今後のビットコイン投資を考えるにあたっては、FXよりも有利な税制が維持されるのかどうか、要注目です。

【引用】2016年8月30日よく分かるBitcoin税制 – 投資で得た利益は課税対象になるのか

こういうあやふやな書き方をしているので、コインチェックブログさんの↑記事だけを信じ切って申告すると、後々痛い思いをする可能性があります。

ということで、1年(1月~12月)を通してトータルで仮想通貨(暗号通貨)で利益が出たら、必ず地元の税務署に聞くようにしたほうが良いです!

おそらく、これから数年は税務署の言うことがコロコロと変わっていくはずですなので、4~5年のうちは毎年確認した方が良いと思われます。

どの段階で利益(所得)発生するのか?

「仮想通貨(暗号通貨)取引では、どの段階で利益(所得)が発生するか?」ですが、これは円に換えた段階で利益(所得)が発生します。
銀行口座に振り込まれた時点ではありません。取引所で円に換えたその瞬間に利益(所得)が発生です。

そして、購入した通貨分を差し引くことになるのですが、これは”移動平均法”で計算します。
分かりにくいと思うので、ちょっと具体的に解説しておきましょう。

確定申告が必要な取引例1(単純取引)

購入から売却までの流れ

  1. 取引所で1ビットコイン10万円で10ビットコイン購入しました。支払い総額は100万円です。
  2. 相場が1ビットコイン15万円になったので、10ビットコイン売却して150万円の円(JPY)に換えました。
  3. 利益は50万円出ました。雑所得で申告して課税対象です。
相場
(/1BTC)
合計
購入時 10万円 10BTC 100万円
売却時 15万円 10BTC 150万円
利益(課税される所得額) 50万円
(手数料は差し引いてOK)

この場合は簡単ですよね。長期保有の人だとこの算出方法で済む人も多いんじゃないでしょうか。

確定申告が必要な取引例2(移動平均法)

さて、次は何回か購入して、利確するために一部のコインを売却した場合の利益算出方法です。

購入から売却の流れ

  1. 取引所で1ビットコイン10万円で10ビットコイン購入しました。支払い額は100万円です。
  2. 再び取引所で1ビットコイン12万円で10ビットコイン買い増ししました。支払額は120万円です。(この時点で購入総額220万円)
  3. 相場が1ビットコイン15万円になったので、10ビットコインだけ売却して150万円の円(JPY)に換えました。
  4. 移動平均法により、購入した時の1ビットコインの相場は「220万円÷20(BTC)=11万円/BTC」となります。
  5. 利確時のビットコインの購入額11万円×10BTC=110万円。売却額150万円ですので、差し引き40万円が利益(課税所得額)になります。
相場
(/1BTC)
合計
1回目購入時 10万円 10BTC 100万円
2回目購入時 12万円 10BTC 120万円
移動平均法による相場 11万円 10BTC 110万円
売却時 15万円 10BTC 150万円
利益(課税される所得額) 40万円
(手数料は差し引いてOK)

何回もビットコインと円(JPY)に換えていたら、計算がすさまじく面倒なことになりますな。
しょっちゅう購入と利確繰り返してる人はカオスなことになってるんじゃないでしょうか。いままでしっかり計算して所得額算出してる人はいるのかな???

とりあえず、円(JPY)に換えた段階で一旦計算して、エクセルなんかにまとめておいた方が後で困らなくなりそうです。

利確した後に再びコインを買った場合

利確した後に再びコインを買った場合は、次の利確までは再購入した分のコインは清算に入れる事ができないので要注意です。

「利確した数日後に、相場が下がったからすぐに買い戻したから課税所得から差し引けるんじゃないの?」って思い込んでる人がいるようですが、これはNGです。

あくまでも利確時で一区切りになります。


こうやって1年分を計算していって、黒字だったら雑所得の欄に得た利益額を記入、損したら何も記載しない、ということになります。

2017年7月からは法改正で仮想通貨(暗号通貨)の取引は非課税になるので、2017年1月~6月のと7月~12月の取引は分けて計算しなきゃいけません。(消費税課税事業者のみです。サラリーマンで副業で売買している人には関係ありません)

ビットコインは支払い手段の通貨としては認められることになりますが、法定通貨じゃないのであくまでも物として扱われる資産のような扱いのままです。

オルトコインからビットコインに換えた場合は?

現状ではオルトコインからビットコインに換えただけの場合は、申告する所得は発生しないことになっています。

だから、オルトコインで爆上がりして含み益が出て、確定申告の所得に含めたくない場合は、ビットコインに交換するという手があります。
と言っても、ビットコインの相場が下落したら損をするので、この方法は一長一短がありますね。

【追記】海外の取引所に移した場合

「海外取引所に移した場合は?」とご質問頂いたので追記しておきます。
海外にコインを移したとしても、基本的には最初に購入した単価で計算します。以下具体例

購入から売却の流れ1

  1. 日本の取引所で1ビットコイン10万円で10ビットコイン購入しました。支払い額は100万円です。
  2. 海外の取引所に10BTCを移してオルトコインと交換。相場が上がったからBTCに交換、を繰り替えしたら、合計30BTCまで増えた。
  3. 海外取引所で増えた30BTCを日本の取引所に移動して、円に交換。この時BTCの相場は15万円/BTCになっていた。
  4. (15万円×30BTC)-(10万円×10BTC)=350万円(←課税所得額)

購入から売却の流れ2

  1. 日本の取引所で1ビットコイン10万円で10ビットコイン購入しました。支払い額は100万円です。
  2. 海外の取引所に10BTCを移して5BTC分だけリップルと交換。相場が上がったからリップルのままコインチェックに移動。残った5BTCは海外取引所に残した。
  3. コインチェックでリップルを円建てで売却。売却額は200万円。
  4. (リップル売却分200万円)-(10万円×5BTC)=150万円(←課税所得額)

購入から売却の流れ3

  1. 日本の取引所で1ビットコイン10万円で10ビットコイン購入しました。支払い額は100万円です。
  2. 日本の取引所で1ビットコイン13万円で5ビットコイン買い増し。支払い額は65万円です。
  3. 海外の取引所に15BTCを移して8BTC分だけリップルと交換。相場が上がったからリップルのままコインチェックに移動。残った7BTCは海外取引所に残した。
  4. コインチェックでリップルを円建てで売却。売却額は200万円。
  5. 移動平均法により(リップル売却分200万円)-(11万円×8BTC)=112万円(←課税所得額)

これはちょっとややこしいですね。(11万円×8BTC)の”11万円はどこから出てきた数字か?”ですが、日本の取引所でビットコインを2回購入した部分から計算しています。

移動平均法による1BTCあたりの単価={(10万円×10BTC)+(13万円×5BTC)}÷15BTC=11万円/BTC 

ってことですね。2回BTCを購入した分を足して、ビットコイン数のぶんで割って1ビットコインあたりの単価を出しています。

こんな感じで、最初に円建てで購入したビットコインから起算して仕入れ金額を差し引きます。

っていうか面倒草ーーー!!

税理士に任せた方がいいです、ほんと危ないので

年間100万円以上の利益が出た場合は、税理士に任せて確定申告した方が絶対いいです(キッパリ)。

確定申告書は自分でも作ることができるんですが、税理士が作成した場合は申告書の隅っこに税理士のハンコを押してくれるんですね。

「〇〇税理士がこの確定申告書を作ったので大丈夫ですよ、税務署さん(^◇^)」

ってアピールする効果があります。これなら税務署から突っ込まれにくいですし、申告書類に信頼がプラスされます。
逆に税理士判子が無い申告書だと、税務調査のターゲットになりやすいんですね。「この人からはもっと税金取れそうだ、グヘヘww」って目を付けられやすいです。

あと、よく分からずに自分で作って申告してしまった場合は「税務調査来たらどうしよう・・・」って不安が常に付きまとうことになりますし。ある日突然電話が来るんですよ。

税務調査が入ると丸2日間ほど家に居座られて過去3年にわたって隅から隅まで調べられるし、追徴課税やら延滞税やら請求されてガッポリ取られます。住民税分も追加で請求されます。(友人・知人がやられてます)

雑所得の確定申告書作成なら税理士さんに丸投げしても6~7万円くらいでやってくれます。(料金は税理士にもよりますが)
自分で計算して申告書を作る手間と安心を考えれば安いものですよ。その分トレードの方に集中して利益を上げれば良いのだ!

所得税率を知っておくべし

最後に日本の所得税率をご紹介。初めてみる人はきっとビビりますよ。
以下、国税庁の所得税率表から引用です。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

1800万円の所得があったら4割くらい税金で持っていかれてしまうんですよ。
んで、忘れちゃいけないのが住民税。次年度5月頃に所得額の10%くらいが追加で請求されます。

つまり仮想通貨(暗号通貨)の売買で1000万円くらい利益があったら、そのうちの半分くらいは所得税と住民税として請求されてしまうんですな。

2017年4月上旬にリップルが爆上げになって「やったー!総資産の桁増えた!1000万円儲かった!!」って言ってた人は、確定申告時と次の5月の住民税請求で青ざめることでしょう(南無)。確定申告前に儲けたお金を飲み食いに使っちゃって、税金支払えなくなったら延滞利息付いてとんでもないことになります。

ちなみにシンガポールなら所得税が最大20%なんですよ。富裕層が移住したくなる気持ちが分かりますよね。

税務署をあなどるなかれ

「税務署は仮想通貨(暗号通貨)取引なんて分かりっこない、細かい部分でまで調べきれないだろう」と思っている方もいらっしゃるようですが、とんでもない。彼らを甘く見てはいけません。ちゃんと監視してますからね。どんなに複雑な取引経過だとしても、税務調査されればきっちり税金請求してきます。

「税務署は3年泳がせる」って言われてます。税理士ドットコム使えば、お住まいの近くで適した税理士さんをタダで簡単に紹介してくれますので、相談して確定申告は丸投げした方がベターですし安全ですよ。

以上、ご参考頂ければ幸いです。皆さまが毎年しっかり納税して、後で税務調査が入らないことをお祈り申し上げます。

このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円(+475万)で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。