@マナです。

今年に入ってからビットコインが上昇し、それと同時にどういうわけか「価値の保存手段」「ゴールドのようだ」という表現が再び目立ってきた。

ビットコインの相場が下がっていた時には散々と「ビットコインはもう終わり」などという声が多く聞こえてきていたが、相場が上昇すると正当化表現が蔓延する状況は面白い。皆気まぐれである。

人々は「ビットコインはいずれ1000万円になる」「700万円」「500万円」など根拠の乏しい予想を繰り広げているが、わたしは別の観点からビットコイン相場を考えてみようかと思う。

ゴールドの実質的価値を調べてみた

本エントリーのタイトル「ビットコインはこれ以上値上りせず」は私の結論だが、ここにたどり着いた経緯はゴールドの実質的価値の推移調査によるものだ。

ビットコインが価値の保存手段というのなら、ゴールドと同じ値動きをするのではないか、と思った。
ということで調べてみた結果、過去50年間のゴールドの実質的価値を調査したグラフが見つかったので紹介しておこう。

ゴールドの実質的価値グラフ

第一商品株式会社が作成したグラフであり、実質的価値は調整されている。このグラフの結果が面白いのは、高騰と下落を繰り返しながらも過去の最高値を超えていない点であり、さらにビットコインが作り上げる値動きに似ている点である。

ビットコイン相場チャート

見比べてみていかがだろうか?

最近日本を超悲観的に見ている有名な投資家であるジョージ・ソロスは、ゴールドの実質的価値が過去の最高値を超えない点を利用して、金ETFで大きな利益を獲得している。安値で仕込み、高値で見事に売り抜けた。やはり投資では歴史を知ってる者は強い。

ビットコインは価値の保存手段・価値移転手段・仮想通貨市場の基軸通貨

ビットコインに話を戻そう。ビットコインが今後も「価値の保存手段」としての需要を満たし続けるのであれば、ゴールドと同じようにビットコインは過去の最高値1BTC=240万円をこえることなく、下落と上昇を超えるだけのシナリオが考えられる。

ビットコインはサイドチェーンでスマートコントラクトが実装される予定であるが、実際にはそういった用途では全くと言って良いほど利用されていない。仮想通貨市場における基軸通貨であり、価値移転、価値保存、トレード目的での利用が殆どである。ビットコインは新しい金本位制を創り上げているようにも思う。

だが、人々が「何に価値を移転させるか」という考えはその時々の状況に応じて変化する。お金の流れは常に循環しているから、ビットコインは今後も激しい上昇と下落を繰り返すことになると思う。当然、価値が安定することもない。ゴールドだって価値が安定していないのだから。

ビットコインは24時間365日、世界中で多くの人が気軽に、少額から超高額価値を売買・移動できるようになっている性質上、ゴールドよりも値動きが速くなっているだけだ。

もしゴールドが気軽に移動、売買ができるものだったら、ビットコインのように値動きがもっと乱高下していると思う。

長い時間で考えれば名目価値は上昇するかもしれない

勘違いして欲しくないのは、私がここで書いたのは「実質価値」であり、名目価値ではないことだ。

この先10年、20年、30年と世界がインフレし続けるにつれて、ビットコインの名目価値も上昇するかもしれない。仮に年間インフレ率1.5%だったとすると、10年で15%。ビットコインは10年後に最高値280万円前後に達する可能性も見込める。

半減期イベントについて

また、ビットコインには4年毎に採掘量が半減する半減期イベントがある。

「半減期があるから、ビットコインはどんどん希少価値が上がるから今後も値上がりするはずだ」という意見もあるが、それは既に相場に織り込み済みだと私は考えている。

半減期に関する情報は仮想通貨市場参加者にとっては既にメジャーであり、皆それを知ったうえで前回最高値240万円を付けたのではないか。

だから、実質価値としてはビットコインが240万円以上にならないと考える。法定通貨のインフレによる影響で名目価値は上がることになるとは思うが。

これから成長していく仮想通貨はスマートコントラクト市場

ビットコインは実質価値の最高値を超えない。では仮想通貨市場はこれ以上成長しないのか?という疑問が浮かぶが、まったくそんなことはない。

イーサリアム、EOS、Tronなどのスマートコントラクト暗号資産が既に登場しており、これらは今後も開発・改良を経て、より使いやすく、より便利に、広範囲に利用されていくと私は考えている。

その理由は、インターネットが登場した1990年台~2000年に起こったドットコムバブルと以降の歴史である。

ドットコムバブルチャート

1990年~2000年はインターネット市場に多くの人が「次世代の技術だ」と過度な期待が寄せられた。だが当時は技術の普遍性が乏しく、市場に参加していた人達は幻滅して株が投げ売られたのである。

ドットコムバブルが崩壊した後でも生き残った企業は開発を続け、今や我々の生活では必需品のものばかりになっている。今となってはNASDAQ指数はドットコムバブル当時の最高値を超えてしまった。この形と流れをハイプカーブと言う。

ビットコインは既に次世代の技術とは呼べないものになりつつあるが、イーサリアムなどのスマートコントラクトプラットフォームの真価が発揮されるのはこれからだと思っている。これらの技術は仮想通貨市場のインターネットであり、ワールドコンピュータである。

イーサリアム相場チャート

イーサリアムは進化のスピードも速いがまだ使いにくい状況であり、トランザクション処理能力も低い。が、これはじき大幅に改善される予定。発行枚数は現在ビットコインの6分の1程度であり、将来的に新規発行はロックされる予定である。

さらに、イーサリアムを利用したアプリも続々と増えている状況だ。当然ながら、まだ認知度は低い。

ビットコインとイーサリアム認知度比較

Googleトレンドでbitcoinとethereumを調べると、市場参加者の多くはビットコインの方ばかり見ている状況である。

今日は以上。

このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。