@マナです。
以前の書いたエントリー「私が仮想通貨以外にやってる投資、現状イマイチの投資」で書ききれなかった事を、ここではもう少し掘り下げて書く。
今回はiDeCo(確定拠出型年金)について。
結論を先に言うが、
一般的な年収の人は仮想通貨(暗号資産)に大金入れてる場合じゃないですよ、
老後資産形成が不安なら一刻も早くiDeCoに加入して投資と税金の勉強しましょうね、と。
「控除」の概念を学べ
節税、税制優遇と言われても、ほとんどのサラリーマンはピンと来ないでしょう。なぜなら、自分で税金を計算して税務署に納めたことが無い人が大半だから。
サラリーマンの場合は、会社が給与から所得税・住民税・健康保険・厚生年金・介護保険税などを天引きしてくれる。そして会社があなたの代わりに、税金をそれぞれの管轄に支払ってくれている。
これを源泉課税方式と言い、メリットは国側にとって税金のとりっぱぐれが少なくなる事。さらに年末調整も会社側が行ってくれる。日本ではサラリーマンの税金に関しては”会社におんぶにだっこ”である。こんな国、日本だけですよ。完全にオートマチック。最高に楽だよね。
ただしデメリットもある。徴収されている側が税金や控除など意識する機会が少なくなるので、学習機会も失う。日本人の金融リテラシーが低い原因の一つになっていると私は思っている。サラリーマンに「自分がどれくらい税金払っているか知ってますか?」と聞くと、大半の人が言葉を詰まらせる・・・それって国の養分になる可能性が高いからね(南無)。
前置きが長くなったが、全部覚えなくていい。
「控除」だけは最低限学んでおこう。
そして控除という言葉を見かけたら、もう1つの必ず気にするようにしよう。それは、
「んで、どのくらい控除対象になるの?」
控除の例:所得税一律30%の国があると仮定する
簡単に控除の例を示す。あなたが所得税一律30%の国、「ビットコイン国(仮名)」に住んでいたとしよう。いくら稼いでも税金が30%引かれるシンプルな税制だ。
次に、年収1000万円を稼ぐAさんとBさんがビットコイン国に住んでいたとする。Aさんは金融リテラシーが高く、Bさんは金融リテラシーがほぼ無いに等しい。
両者とも所得税率が30%だから、毎年300万円の税金をビットコイン国に納めることになる。手取り収入は700万円だ。ここまでは誰でも理解できるよね。
ビットコイン国がiDeCo制度を始めた
ある日ビットコイン国の首相がこんな御触書を発表した。
首相:
「我が国には年金が無いからiDeCo制度を開始する。老後は2000万円くらい用意することを推奨する。自分で掛け金を決めて、投資商品を選んで、老後に備えたまえ。掛け金は年間100万円を上限とし、運用益は非課税、全額控除対象とする。期間は20年間。」
これを見たAさんは「うおおおお!!すげえええええ!!!」と嬉しがりiDeCoに加入し、年額100万円投資信託を購入した。
Bさんは「ふーん、何それ?老後は頑張って働いた貯金で何とかするしかないし」と無関心だった。
さぁ、「控除」という言葉が出てきた。ここから注意深く読んで欲しい。
控除がある場合の税金の計算方法
「税金の計算方法は、年収から控除金額を引いた数字に、税率をかけて算出する。」
これはシンプルなので必ず覚えておこう。
Aさんは年収1000万円。
iDeCo掛け金が100万円。100万円が控除対象になる。
1000万円 – 100万円 = 900万円。←これが課税される所得として見なされるので、これに所得税率をかける。
900万円×30%=270万円。
100万円の控除があることで、Aさんが支払う税金は300万円から270万円に減った。
Bさんは控除が無いので、税金はそのまま300万円だ。
AさんがiDeCoに加入した結果、Bさんの結果
AさんはiDeCoに加入したことで、所得税が通常よりも30万円減少した。しかも、iDeCoに加入して掛けている100万円で毎年投資信託を買っている。世界経済には好不況があるが、年率3%で運用出来ている。
つまり、Aさんは100万円をiDeCoで運用できつつ、通常よりも30万円の税金を支払わずに済むようになった、年収1000万円のうち手元に残っている資産は730万円。
Bさんは控除無しなので、手元に残った資産が700万円。
AさんとBさんでは、1年間に30万円もの資産形成に差が出ることになった。
控除があるおかげで税金が減る。控除の力がお分かり頂けただろうか。
20年後、AさんとBさんの資産はどうなったのか
AさんとBさんの話をもう少し進めてみよう。
AさんはiDeCoに加入し、年100万円を投資信託に。節税で浮いた30万円は証券会社で、同じ投資信託を20年間購入し続けた。年利平均3%くらいで運用できている。
Bさんはギリギリ年間100万円を20年間老後のために貯金し続けた。
両者の資産は20年後どうなったのか。
Aさんの20年後の資産
iDeCoで運用された資産額結果・・・2,724万円
節税で浮いた30万円を再投資に回し続けた資産額結果・・・817万円。(税引き後653万円)
Aさんの資産合計3377万円。
Bさんの20年後の資産
貯金年額100万円ずつ20年間積み立てた結果・・・2000万円。
Bさんの資産合計2000万円。
控除の力、再投資の力、複利の力
AさんとBさんで1377万円もの差が出てしまった。控除を利用して節税して浮いたお金を再投資する力と、複利の力がすさまじいことが分かる。
ちなみに、利回り3%と言う数字は決して大きいものではない。地雷投資信託を選択しなければ十分に可能なパフォーマンスである。
利回りをもっと低く見積もって年利1.5%だったとしても、3000万円の資産が形成できる。投資信託が不安なら元本保証型商品もある。これなら控除による節税効果だけを得られることになり、それでもiDeCo控除による節税分併せて2600万円の資産形成が確定できる。
んで、どれくらい控除対象になるの?
ただし注意して欲しいことが一つある。「控除」という言葉があれば何でも良いわけじゃない。
例えば生命保険の場合も控除対象になるが、控除対象になる金額はいくら掛け金を積んでも年間4万円~8万円程度にしかならない。月額1万円の生命保険に入っていたとすれば、年額12万円になる。ただし控除対象になるのは4万円程度。これでは節税効果が低く年1万円くらいだし、掛け金のほとんどは捨て金で保険会社の養分だ。
保険会社は「控除にもなるのでお得ですよ」なんて言い方をして勧誘してくるケースもあるが、掛け捨て額が大きい分、全然お得じゃない。iDeCoの場合は掛けた金額全部が控除対象だし、掛け捨て部分が一切無いので凄まじい節税効果が得られる。
このように、「控除」という言葉が出て来たら、「んで、どのくらい控除対象になるの?」と疑問を持とう。
日本でiDeCoで節税できた分はどうやって支払われるのか
ビットコイン国(仮名)から現実世界の日本に話を戻そう。
日本でサラリーマンの方がiDeCoに加入して節税した分はどうやって支払われているのか。
これは簡単で、年末調整を行った後の給与に増額して支払われるケースがほとんどだ。
年末調整の前に、iDeCo側から「あなたが今年支払ったiDeCo掛け金は〇〇円」という通知書が来るので、年末調整書類に添付して会社に提出すれば良い。保険に加入している人は年末調整書類に記載していると思うが、それと同じだ。
個人事業主などは、確定申告時に所得税と住民税に反映されるので、特に心配なかろう。
iDeCoで節税できる金額
iDeCoで節税できる金額は年収や掛け金によって異なるので、ろうきんの「イデコの節税シミュレーター」で確認してみよう。
年収500万円、月額23000円ずつiDeCoに掛けていれば、年間4万円以上の節税となる。年収が多い人の場合はさらに節税の額がアップする。
掛け金は1000円単位で自由。上限があり、多くの人は月23000円。団体職員は月12000円。企業が用意している場合は月55000円。個人事業主は月68000円。
途中で掛け金も変えられるので、ライフステージに合わせる事も可能だ。
老後資産形成は計画的に行おう
自分が70歳以上まで生きる事を想定していて、老後のための資産形成を考えているのであれば、iDeCo(確定拠出型年金)は活用すべきである。
給与の一部を老後資産形成に充てるのであれば、優先してお金を入れる先はiDeCoであり、ギャンブル的な仮想通貨ではないということを強調しておく。
税制優遇を最大限に利用して資産形成をするべきである。仮想通貨を購入するなら、捨て金がある人だ。今後の少子高齢化、増税体質の日本の将来を考えれば、多くの人に仮想通貨に大金を突っ込む余裕は無いはずである。
我が家が利用しているiDeCoと選択している投資信託銘柄
参考までに、我が家が利用しているiDeCoについて書いておく。
使っているのはSBI証券(iDeCo)。理由は信託経費が圧倒的に安いeMAXIS Slimという投資信託シリーズを選べるからだ。
私が月額23000円、妻が月額12000円。節税額は年間9万円強にもなっている。節税分はNISA枠で再投資して資産形成を強化している。
選択銘柄比率は現在、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」75%、「eMAXIS Slim国内株式TOPIX」10%、「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」15%とした。
投資信託の勉強が面倒な人は、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)にして、eMAXIS Slim国内株式TOPIXや他の銘柄を少し組み入れるのも良いかもしれない。
また、楽天証券(確定拠出年金)には「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)という、これ1つで全世界株式に分散投資できる便利な信託がある。信託経費率も0.2196%と安いから、これ1本でもいいかもしれない。
楽天の方が管理画面が見やすいので個人的に好きだが、eMAXIS Slimシリーズで銘柄を組み合わせたかったので、私はSBI証券(iDeCo)にした。
その他、別口でSBI証券を利用し、積立NISAで同一の信託商品を積み立てている。
以上、控除についてはおそらく死ぬまで、死んだ後も大事な言葉になると思うので、必ず覚えておくべし。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。