@マナです。
仮想通貨マーケットにおけるICO需要が減衰して、現在行われているほとんどのICOが目標を達成できずにいますが、まだ夢見てお金突っ込む方いらっしゃるようで。
冷静になれば分かるんですが、ICOは悪い意味でそうとう異常ですよ。
仮想通貨マーケットにおけるICOが異常だと思う理由
- お金を突っ込んでも投資家が得られる権利が証券に比べてほとんど無い
- 配布されるのはトークンだけで配当がない
- プロジェクト側が全発行トークンの50%を保有するプロジェクト多数
- 会計情報が見れない
- プロジェクトの運営状況が分かるのは公式サイト・ブログ・SNS・Githubのみ
- 簡単に数億~数十億円集まってしまう
・・・と、こんな感じ。
よく考えてみて欲しいんですが、株式証券と比較すればかなり異常ですよ。
株式がどういうものかをおさらいしておきましょう。
株式とは会社が資金調達する時に発行する証券で、株式を持っている人はその会社の一部を保有する意味であり、株主は会社が稼ぐ利益を受け取る権利を得られます。
例えばA会社の株の全発行量の5%を保有していて、A会社が1億円の純利益をあげたら、株主は利益の5%を得る権利がある。さらに株が値上がりすれば売却益も得られます。
さらに株主総会で意見して経営に口出しすることもできますよね。
ところが仮想通貨における現在のICOの場合は、トークンを持っていたとしてもプロジェクト側が利益を上げてもトークンホルダーには配当無し。(稀に配当有りのプロジェクトもあるけど)
プロジェクトの運営に口出しすることも出来ず、ホルダーはただ単に「開発頑張って」と願って嘘か本当か分からない公式側の進捗状況をSNSで共有するしかない。
ICOにおける会計情報は一切見れず、投資家は財務状況がどうなっているのかまったく分からない。ICOの公式サイトに掲載されているプロジェクトメンバーや提携企業も出鱈目であることもある。
凄いですよね、この世界。
開発するよりICOで資金調達してトンズラした方が儲かる世界
ポッと出のどこの誰か分からないメンバーが未来への期待を煽るようなICOを行って、「10億調達しました」「100億調達しました」としよう。プロジェクトメンバーは10人くらいの事が多い。
まだプロダクトが無い状態で多額の資金を集めて開発をスタート・・・するか?と考えると疑問が生じる。
自分がICOを行う立場に立って考えて欲しいんですが、仮にあなたがICOをして20億円相当のイーサリアムやビットコインを集めたとしよう。プロジェクトメンバーは10人であれば、一人当たり2億円ずつ受け取れるし、プロジェクト側で保有しているトークンを市場に売却してさらに利益を得る事ができる。
金に目が眩まない開発者はいると思うが、成功するか分からないプロジェクトの開発を進めるよりも、ICOでお金を集めてトンズラしてしまった方が儲かる世界である。
コインデスクのリサーチでは、2018年に行われたICOで生まれたプロジェクトの75%が既に消滅しているらしい。
仮想通貨マーケットにおけるICOのほとんどはそういう状況で、規制がまだ緩いことを利用して個人投資家のお金をむしり取るツールと化している側面もあるのだ。
そして、ビットコインやイーサリアムがこういったICO需要により担保されている事も考えると、最近話題のビットコインETF審査については、もっと各国の規制とルールが整わないと許可されないように思います。
また、ICOに対する規制についてはまだこんな状況である。
オハイオ州を代表する米国下院議員は、アクシオスとのインタビューの中で、初期コイン・オファリング(ICO)の規制について話し合うために、暗号侵害業界の大手企業を招待すると発表した。
議員は、約32人の指導者を暗号通貨関係者から招待したとされている。主催者には、ナスダック、インターコンチネンタル・エクスチェンジ[ICE]、クラケン、リップル、ハーバー、CMEグループ、サークル、コイン・センター、ユニオンスクエア・ベンチャーズが含まれます。
この会議は、2018年9月25日に国会議事堂で開催されます。ベンチャーキャピタル企業からエクスチェンジプラットフォームまでの業界最大の企業との議論は、提案されたBitcoin ETFに対するSECの立場とほぼ同じ時間枠内にある。
仮想通貨マーケットはまだ黎明期で、発展していくには各国がもっと規制を強化する必要があると思います。
通貨型はビットコインとビットコインキャッシュくらいでいい。イーサリアムはdAppsの燃料でいい。ただし、dApps作って動かすにしても国の規制下で。じゃないと発展しないし、人々は安心して使えない。
それに、「そもそもそれ、仮想通貨使う必要無いのでは?プライベートチェーンで構築して管理費はプロジェクト側が法定通貨で徴収する方がいんじゃない」「トークンが取引所に上場して価値が動くって、それ何に使うの?価値動かす状況に置く必要あります?」っていうICOプロジェクトも多いと感じます。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。