@マナです。
グーグルトレンドで調べれば分かるのですが、日本の仮想通貨市場は他の国に比べるとリップル(XRP)を話題にする割合が多く、これから仮想通貨を購入しようと思う場合に候補に挙げる人は多いのではないでしょうか。
ですが、現実には情報を勘違いして期待感を高くもってしまったことで、大損してしまった人も少なくありません。
私が思っている、「これからリップル(XRP)を購入する前に注意して欲しい事」を書いておきますので、ご参考頂ければ幸いです。
リップル(XRP)を購入する前に注意するべき点
1.リップルとXRPは違う
リップルとXRPは違うことを覚えておいてください。
リップルは会社の名前。XRPはリップル社(厳密にはその前身)が発行した仮想通貨です。
雑誌・ネットの情報・各種ブログなどをチェックすると「大手銀行はリップルと提携」「リップルのシステムを国際送金に使う」「サンタンデール銀行がリップルのシステムを使ってクロスボーダー決済を・・」などの情報が沢山出てきます。そして、これらの情報がまるでXRPと関連性があるように書かれているものが多くなっています。
ですがこれらの情報については、今日現在ではリップル社の「xCurrent」というシステムを利用するもので、仮想通貨XRPを使うものではありません。
XRPを使うシステムは「xRapid」というものです。xCurrentを採用した企業がxRapidの利用へ移行するかは明言していません。情報を混同しないように注意したほうが良いと思います。
仮想通貨初心者さんの場合、これらの情報を混同して購入している人がとても多く、XRPを購入した後に「知らなかった」と言う人も少なくありません。
最近リップル社が新しいXRPのシンボルを公開したようです。これで混同されることが少なくなれば良いですね。
2.暴騰時は手を出さない方が良い
XRPの暴騰時は手を出さないことを勧めます。2017年~2018年1月にかけて、XRPは2回暴騰した事があります。
1度目は2017年5月中旬、3月末まで1XRP0.7円だったものが最大55円まで跳ね上がりました。この時期に市場参加者がたくさん押し寄せたんですね。「他の通貨に比べるとまだ安いから買った」という理由も多く見られました。その後15円くらいまで下がり、12月頃まで20円前後で推移し続けました。
そして2度目の大暴騰は2017年12月~2018年1月中旬にかけて。20円から400円まで値上がりしました。XRPに関連する好材料が発表されたわけでもなく暴騰しています。
この時も2017年5月の高騰原因と同じで、市場参加者が大量に押し寄せて「まだ(単価が)安いから」という理由で買われました。さらに、熟練のトレーダーもこの相場にたくさん参加して一気に売り抜けたようです。
相場の世界では、高騰したものは必ず急落します。コインチェックのNEM盗難事件の影響もあって、1XRP=約50円まで暴落しました。資産が一気に8分の1~4分の1になった人も多数。今後XRPがどうなるかは分かりませんが、400円に戻るとしても年単位の時間がかかるでしょう。
ですので、暴騰中は手を出さず、値動きが落ち着いて悲壮感が漂うようになってから購入を検討する方がベターです。
3.XRPの発行枚数は1000億
XRPの発行枚数は1000億XRPです。
ではビットコインはの発行枚数は?2100万枚です。XRPはビットコインの5000倍もの量があります。イーサリアムの発行枚数は?約1億枚で、XRPはイーサリアムの1000倍の量があります。
ビットコインが日々少しずつ生み出されている背景には、多くの設備投資があります。その価値が上乗せされているという見方ができます。イーサリアムも同様です。
ビットコインは現在様々な決済に使う事ができます。ビットコインキャッシュも同様です。イーサリアムはICO、取引所の送金需要、ワールドコンピューターとしての需要が増えつつあります。
XRPはどうでしょうか?リップル社が無から1000億XRPを生み出しました。これをいろんな人に売って、マーケティングをして相場を上げ、リップル社が保有する550億XRPの一部を売り続けて運営資金を確保しています。そしてXRPはほぼ使われていません。一部送金企業が海外送金の試験を行っている段階ですが、銀行は採用していませんし、採用予定も公開されていません。
皆さんはこの点をどう考えますか?
現時点ではほとんど実利用されていない状況下で、かつXRPが今後本当に使われていくのか?発行枚数から見た場合の価値は?と考えた時のXRPはどうなのか、よく考える必要があると思います。
4.リップル社のシステムはブロックチェーン技術は使っていない
日本の有名なニュースサイトでも「リップルのブロックチェーンシステムを使って・・」と書かれている事がありますが、リップル社はブロックチェーンは使っていません。
取引を承認するバリデーターのほとんどはリップル社が選出しています。さらにリップル社が550億XRPを保有していることもあって、実権を握っているのはリップル社になります。
仮想通貨市場でよく言われる「ブロックチェーンによる分散化」とは異なるものです。将来的にはリップル社は「将来的には完全な分散化を目指す」とは言っていますが、現時点ではこういう状況であることを知っておくと良いと思います。
非中央集権思想からの批判
ゆえに、生粋のビットコイナー・非中央集権が正の思想家から非難される光景もしばしば見られます。
例えばモナコインは中央管理者不在で、全国に散らばったモナコインの台帳データ保持者で照合・承認し合って動いています。ビットコインも同じですが、マイナーの多くが中国に偏っていることで「中央集権ではないか」と言われていることもあります。ですが、マイニング企業は分散されていて、どこか一社に偏っているわけではありません。
対してリップル社のXRPは完全に中央集権的です。ほぼ全ての権限はリップル社が握っています。仮想通貨は証券取引法にも引っかからないことから、現状ではどんなマーケティングもやりたい放題です。
2017年秋ごろにカウントダウンマーケティングを行ったことがあります。相場が低迷している時にリップル社の公式ツイートアカウントが「ビッグニュースがある」と思わせるカウントダウンを始めて、相場が一時的に高騰しました。
そしてカウントダウンの途中で急に日本語でアナウンスしました。今まで英字のみでカウントダウンをしていたのに、突然日本語を使ったんですね。日本の市場を狙ったのでしょう。その後再び暴落し、それまでのXRP保有者が呆れてしまった事があります。
また、アメリカで一番大きい取引所であるcoinbase/gdaxへのXRP上場の提案も、一般投資家が大きなリスクを負うようなものでした。
【関連ページ】リップル社が米大手仮想通貨取引所Coinbaseに100億円融資を提案していた件について
5.ポジショントークに注意する
”ポジショントーク”という言葉をご存知でしょうか?金融市場においての意味は、自分にとって有利な発言や情報を流すことです。
Twitterやブログを見ていると、リップルやXRP関連ではポジショントーク者が多いと感じています。「リップルは将来〇〇で使われる」とか、「XRPはこの先〇〇になると思う」とか。さらに、大手企業と提携するかのような好材料ガセニュースも見かけます。
なぜこのような情報が多いのでしょうか?もちろん、XRPを持った人が価値を上げたいからです。
価値を上げて後から市場に参加した人が高い値段で買うように誘って、自分が売り抜ける為です。XRPだけではなく、仮想通貨市場全体でポジショントークはよく見られます。
ポジショントークが多い世界では、「何かがおかしい」と常に疑う姿勢でいる方が良いと思います。
私は自分が保有している通貨でも、疑いを持って批判的な目で見るようにしています。仮想通貨のプロジェクトは基本的に内部の情報が公開されないという理由もあります。
リップル社とXRPについて疑問視している点
最後に、私がリップル社とXRPについて疑問視している点を挙げておきます。
xCurrentとxRapidを分けている点
xCurrentとxRapidを分けているにもかかわらず、情報が表に出る際は「リップルのシステム」と書かれている点。「リップルのシステムが使われる=XRPが使われる」と誤認する元にもなっているし、保有者らは関連性を持たせて情報を発信していることで、XRPにとって大きな好材料であると誤認する人は実際に多い。
最近は海外ニュースでも「xCurrent」と「xRapid」を分けて書くようにはなってきているが、日本の仮想通貨関連のブログ、その他の情報では一緒のように書かれているものが多い。これらはリップル社がわざと誤認させるような仕組みを作り上げたマーケティング戦略ではないか。
仮にxRapidが失速してXRPが使われないものになったとしてもxCurrentは残ると思われ、その時は株式公開をすればリップル社は生き残ることができる。
ただ、企業が生き残るやり方としては常套手段だと思うので、このやり方が悪いとは言わない。仮想通貨プロジェクトの全ては投機で、情報をどう判断するかは自分次第、損をしても自己責任だから。
個人がXRPを使えるわけではない点
XRPは前述したように、クロスボーダー決済やブリッジ通貨としての役割である。例えば日本からブラジルのネット上で販売されているプログラムなどを購入する場合、日本円をブラジルレアルに換える橋渡しに使う。
XRPは承認速度がとても速く、日本から他の国にXRPを送った場合は数秒しかかからない。クロスボーダー決済やブリッジ通貨として使う場合、日本円を一旦XRPに換えてブラジルに送金。ブラジルに届いたXRPを現地でブラジルレアルに換える流れ。かかる時間は数秒とわずかだから、その間にXRPが大きく値崩れすることもないので、為替相場による変動も受けにくい。低い手数料と短時間での送金が完了してしまう点が大きな魅力。
だがこの例で考えて欲しいのは、個人がXRPを使うわけではない点だ。XRPをクロスボーダー決済・ブリッジ通貨として使うとすれば決済事業者である。
例えば私が日本円でブラジルレアルの製品を買う場合、個人が持っているXRPを使うわけではない。CualletがXRPを使ったクロスボーダー決済モデルを見れば分かる通り、決済事業者側が顧客から預かった法定通貨を一時的に取引所でXRPに換えて送金する方法である。そして現在リップル社が推し進めているのはブリッジ通貨としての役割である。個人投資家が持つXRPを使えるシーンは特に無い。
IoVとブリッジ通貨の役割として考えると個人に売る理由が出来上がる
だが、リップル社の公式サイトにも書かれてあるように「IoV(Internet of Value/価値のインターネット)」を目指すとある。これはXRPで様々な決済が出来るようになる事も目指すという解釈らしいが、このキャッチコピーを使う事で個人投資家に売る理由を作っている可能性もある。
また、ブリッジ通貨というものは送金量が多くなるほど、ブリッジ通貨の価値を上げる必要性がある。例えば1XRP=1円だったとしたら、XRPは1000億枚存在しているので、一瞬では1000億円分の送金しかできないことになる。もし1兆円分の送金需要が発生する場合は、1XRP=10円である必要がある。このマーケットを作りだす為に、まずは投機として個人に売って資金を獲得し、リップル社がマーケティングして拡大していく目的もあるのかもしれない。
さいごに
仮想通貨買うなら余剰資金で。損をしても他人のせいにしないこと。盲信は危ない。
自分でいろいろな情報を精査して、自分の頭でよく考えたうえでの選択と行動が必要です。そして状況は自分の希望や予想通りにいくこともほとんどありません。背景には誰かの思惑が大きくあり、常に変化します。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。