ベネズエラの仮想通貨ペトロ

@マナです。

過去記事「ベネズエラの仮想通貨ICO「ペトロ」とは何か」でも書きましたが、個人的にペトロの行く末に興味深々でたまに情報を追ってます。

「あれ?ペトロって何だっけ?」という方もいらっしゃると思うので、概略を復習しておきましょう。

ベネズエラの仮想通貨ペトロの概略

  • 1ペトロ=原油1バレル(約160リットル)の価値、国家のお墨付き
  • 販売価格は1ペトロ=60ドル
  • プレセールでは何と60%オフ(笑)1カ月間続く
  • 総発行枚数は1億ペトロ
  • プレセールでは3840万ペトロを販売
  • その後は4400万ペトロ販売、ディスカウント無し
  • ペトロは原油と交換はできない
  • ベネズエラ市内で利用できるようになる予定
  • 取引所上場は保証されていない
  • NEMブロックチェーンのモザイクを利用している
  • 4154億円以上の資金調達済み!

 
これと別に、金の価値を裏付けたペトロゴールドも販売済みです。「ペトロゴールドは仮想通貨を買うんじゃない。金を買うだけだぞ!」と大統領が話してます。いや~、凄いね。

いくら集まったのかは定かじゃありませんが、ペトロに近い額だと思われます。ペトロと合計すれば8000億くらい集まったんじゃないでしょうか。

ペトロが上場する取引所が決定

さて、先日ついにペトロが上場する取引所が発表されたようです。
アメリカのトランプ大統領が「ペトロ使ったらいかんで!」とお怒りになったので、世界的にメジャーな取引所は「ウチは上場しない」と明言していましたが、蓋を開けたら結構な数の取引所で扱うようですよ。

以下、ペトロ上場取引所の一覧です。

  • Cryptoexchange.
  • Cryptocapital.
  • Financial Advice C.A.
  • Italcambio.
  • Amber Coin.
  • Cave Blockchain.
  • Valoratta Brokerage House.
  • Coinsecure.
  • Critiaechainge.
  • Cryptolago.
  • Cryptoventraige.C.A.
  • Cryptoactive Menets C.A.
  • Cryptoactive Banking C.A.
  • Criptomundo Exchange House C.A.
  • Financial Investments 1444 C.A.
  • Cryptoactive Cryptos.

 
聞いた事のない取引所が多いですが、アフリカ、インド、ファンドがメインで取り扱うみたいですね。
インドのCoinsecureは割と有名なので知っていますが、調べたらここはBTCとインドルピーペアで上場するようです。

ペトロを取り巻く状況

そもそもベネズエラがペトロを導入した理由はハイパーインフレ。

ハイパーインフレが発生した原因はいろいろあるようですが、一つは社会主義政権下での政府の浪費。原油価格下落してきて、物価高騰。原油埋蔵量が世界一なのに工場が操業停止されたりして原油生産できていない状況なんでっせ。さらに対外国債券、国内債券の返済が滞ってしまって、国内通貨をじゃんじゃん発行してしまった。

ハイパーインフレが起きた時の解決策としては、国内通貨をドルなどの通貨にする”ドラリゼーション”が行われたりするんですが、ベネズエラはアメリカと喧嘩中。

「ドルが使えない・・ユーロとの仲も悪い・・・じゃぁ自国で仮想通貨ペトロ発行するか。これを2020年までに自国通貨にして、通貨と経済の安定をはかろう」という流れです。

プレセールでは60%オフ

「1ペトロ=60ドル」という国家の御墨つきではありますが、ICOでのプレセールでは60%オフという暴挙に出ているんです。取引所に上場すればすぐに売り抜けた方がお得ですよね。原価割れる展開になるんじゃないでしょうか?

その時ベネズエラ政府が「ペトロは原油価格と同じだ!」という発言が他の国や自国で通用するのかが、私が注目しているポイント。はははww面白いことになりそうです。

インドに「ペトロ使えば原油30%オフ」と提案

さて、そんなベネズエラ政府ですが、今いろんな国に「ペトロ買って使わん?」と提案をもちかけているようです。

その一つがインドへの提案。

India at least 30 per cent discount on crude oil purchases through Petro during the discussions. “They are going to different countries and making offers.
【訳】彼らがインド政府に与えたオファーは、ペトロを購入し、石油購入の30%割引を提供するというものです」とカルラ氏は述べています。

via:http://www.business-standard.com/article/markets/venezuela-offers-india-30-discount-on-crude-but-with-cryptocurrency-rider-118042900018_1.html

インドだけじゃなく、他の国にも似たような提案をもちかけているとのこと。

パレスチナとの外交会議でペトロファンド創設の発表

さらに、2018年5月7日にはパレスチナと共同で二国間基金のペトロファンドを創設。基金額は2000万ドル(約21億円)相当のペトロで、技術と産業の発展にペトロを利用するらしい。

“I have proposed that Palestine assume, within the framework of the agreements with Venezuela, an investment with us through our cryptocurrency Petro and that a bi-national fund is created, for the technological development of our Peoples,”

【訳】「私はパレスチナが、ベネズエラとの契約の枠組みの中で、私たちの暗号侵害ペトロを通じて私たちとの投資を行い、国民の技術開発のために二国間基金が創設されたと考えている」by マドゥロ大統領

2000万ドル相当のペトロといっても、もともと無から有を生み出した仮想通貨。1億ペトロ発行して1760万ペトロ(約110億円相当)は国家が握ってるんでっせ。

さらにペトロ上場により、60%オフで発行したモザイクの相場がどうなるのか。世界中でも国内でもさらなる混乱を生むんじゃないのかな~と今後の展開を見ていきたいと思います。

余談:ペトロはNEMチェーン使ってます

最後に余談。ペトロはNEMチェーンを使っています。NEMベースのトークン(モザイク)なんですね。

Petroの公式サイトでペトロウォレットがダウンロードできるので開いてみたら、

ペトロウォレット

NEMのNanowalletベースになっているようです。左端にちゃんとNEMのロゴマークありますね。

もしベネズエラでペトロが使われることになれば、モザイクの送受信にはNEMが手数料として使われます。つまり、NEM(XEM)の需要が拡大するってことですな。

NEMホルダーとしては嬉しい事ですが、対象がペトロゆえ、複雑な心境です。

ではでは。

このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。