@マナです。
仮想通貨のICO分野では「ICO Rating Agency」というメジャーなメディアがあるんですが、4半期ごとにリサーチ結果をPDFで網羅的に見ることができるんですな。
2018年第一四半期のICOマーケットリサーチをリリースしていたので、内容をザックリご紹介します。
46%のICOはアイデア止まりだった
2018年に行われたICOのうち46.6%がまだアイデア止まりという結果です。この中に詐欺も混じってるんでしょうな。
MVP(顧客に最低限の価値を提供)は26.2%、アルファ版リリースが15.5%、ベータ版リリースが11.2%。半分くらいがそれなりの価値提供しているので、結構まともな方だと思います。以前どこかのニュースで「ICOの9割がスキャム」と報じられてましたので・・・。
ICOが行われている国
ICOが行われている国はヨーロッパ圏が圧倒的に多い。スイスが目立ちますよね。Zaif(ザイフ)さんがやったCOMSAの母体もスイスに会社作ってICOしてましたし。
アジアが25%も占めている状況は意外でしたが、シンガポールが多いんです。中国はICO禁止されていますが、香港やシンガポール・スイスに法人設立してICOを行っています。
各国のプロジェクト数と金額マップ。
金額とプロジェクト数でダントツ1位なのはアメリカでした。次いでシンガポール、イギリス。スイスは4番目ですが、先日ブロックチェーン立国を目指すニュースが報じられていたので、これから増えていくことでしょう。
そして日本ではゼロ。既存税制や法律が壁になってICO出来ないんでしょうね。所得税も高い国でICOするメリットはありませんし、ブロックチェーンビジネスにフレンドリーな国で法人作って活動した方が楽でしょうから。
そういう意味で、このビジネスにおいて日本は既にオワコンだと思っています。悲しい。
2018年Q1でICOが行われた国とプロジェクト件数
1位アメリカ59件
2位シンガポール34件
3位イギリス26件
4位エストニア16件
5位スイス14件
6位香港・ロシア13件
8位中国・ケイマン・カナダ9件日本はゼロ。お金が出ていくだけ。 pic.twitter.com/8i9SveL0HJ
— マナ@仮想通貨 (@1000crypto) 2018年5月5日
お金もどんどん出ていってますよ。
ICOで集まった金額ランキング
ICOで集まった金額ランキングはBankeraが圧倒的。180億円くらい集めてます。
2位のEnvionは無期限クラウドマイニングのICOで110億円ほど。3位のZeepin(ZPT)はKucoinで扱っている銘柄で、現在時価総額377位。
その他、まだ非上場のICOがあったり値上りしてないのもあり・・・。ICOは集まった金額に応じて時価総額が高くなるというわけではないことがわかります。まだQ1なので今後どうなるか分かりませんけどね。
ICOジャンル
ICOジャンルは金融サービスが圧倒的で、次いで分散型取引所とウォレット。3位はブロックチェーンのインフラ。ヘルスケアも去年から目立つようになってきていますね。
大金集めるほどイノベーションが起きにくい
今日ダイヤモンドオンラインさんで「大金を調達したばかりに大コケしたスタートアップ」というタイトル。という興味深い記事が出ていました。
22ヵ国でスタートアップを支援するインキュベーター&アクセラレーター会社のCEOスティーブン・S・ホフマンのお話しです。
詳しくはソース記事を読んで頂きたいのですが、ざっくり言うと「大金を集めてしまうと、計画に対する妥当性を提案する必要性が高くなり、プロジェクト側の動きが鈍くなって、思い切った実験ができなくなったりしてしまうのでイノベーションが起きにくい」とのこと。
はい、大金集めたICOほど将来性は低くなるかも・・・ということですな。確かに、今まで大きな資金調達したプロジェクトほど尻すぼみになって「一体どうなってんの~?」状態になってるプロジェクトが多いと感じています。
例えば60億円集めたMobileGo、ホワイトペーパーに書いてるロードマップの最終ゴール期間はもう過ぎてしまっていますが、まったく音沙汰がありません。StatusNetworkも開発は続けていてもあまり話題性に乏しいですし、Kinとか大丈夫ですか・・。COMSAプロジェクトさん、ICOで100億集めたお金で時計とか出してて大丈夫でしょうか。
まぁ・・・ICOは投資行為ではなく寄付行為です。返ってこないと思って投げ銭するようなもんですから。イーサリアムが証券化されてしまえば、ICOもガッツリ減るでしょう。草コインも死滅します。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。