@マナです。
コインチョイスがこんな記事を書いていました。
「イーサリアム(ETH)とリップル(XRP)を証券と見なす動きが強まる、発行両者は猛反発」
元ネタは海外ニュースサイトのCCNとBitcoin.com。
内容を詳しく知りたいはソースを読んで頂きたいのですが、ざっくり言うと「XRPは中央集権なんだから、仮想通貨っていうより証券じゃないのか?」「ETHも元々はETH財団のICOで集められたんだから、これも元を辿れば中央集権組織が発行した証券に該当するのでは?でもこれは現在マイナー・ノードなど分散化されてるから証券回避の可能性があるかな?」などアメリカのSEC下で議論されているらしい。
「証券じゃん?」と指摘したのは、米商品先物取引委員会(CFTC)元委員長、現在はマサチューセッツ工科大学のブロックチェーン研究者兼上席講師ゲーリー・ゲンスラー氏。2018年4月23日に講演で話したそうだ。
ETHは証券該当回避の可能性、だがXRPは証券に認定されるかもしれない
Ethereumはほぼ完全にネットワークの分散化されているので、非中央集権になっています。ですが元を辿れば確かに中央集権だったし、ICOの全てが基本的に中央集権みたいなものです。発行トークンの半分を運営が握る条件でICOするんですからね。なので、ETHについては証券該当するかはまだ分かりません。
問題なのはリップル社のXRPで、ここは完全に中央集権構造です。将来的にバリデーターを分散化する予定ではありますが、現状だとバリデーターを決めるのもリップル社次第です。さらに全発行量1000億XRPの半分以上をリップル社が保有してる現状からも考えると、ほぼ100%中央集権構造です。
リップル社は「XRPはRipple社ができる以前から存在し、会社がなくなっても独立して存在する」と反論しているそうですが、「現状どうなのよ?」という点も見られるでしょうから、メディアが語っているように私も証券に該当される可能性は高いと思います。
ということで、とりあえずXRPの証券化について考えてみる事にします。
XRPが証券に認定されたらどうなるか
ここからが本題。XRPが証券に認定されたらどうなるのでしょうか?
仮想通貨と証券は分類上では別物でした。仮想通貨の販売方法やマーケティングは、証券取引法を気にする必要がなかったんですね。ほぼやりたい放題です。
それが証券取引法のもとで取引されることになるわけです。おそらくこんな事になるんじゃないかと。
- XRPは仮想通貨取引所で取引できなくなる
- ただし、KYC/AMLがしっかりしていない仮想通貨取引所ではXRP売買継続される(と思われる)
- XRPは証券取引所で取引されるようになる
- 仮想通貨取引所で取引できなくなるので、いろんな懸念が市場に沸き起こる
- XRPを一旦手放す動きが起こる
- XRPがBTC、ETH、USDT、フィアットに換えられる
- XRPは一時的に暴落し、BTCやETHが一時的に高騰する
- 高騰したBTCやETHがフィアットに換えられたり、他の仮想通貨に換えられる
- 証券化されたXRPに安心感が戻り、再び買われる
一瞬「証券だと国際送金用途どうなるのよ?」と思いましたが、証券化されたとしても、国際送金用途はそのまま継続して認められるとは思います。
「証券なんだからブリッジ通貨として使っちゃダメよ」という事にはならないと思いますが、国際送金するうえでは国際会計ルールがどうなるのか?という疑問は残りますね。アメリカで証券に該当するモノがブリッジ通貨として国際送金に使われやすいかと考えれば、これもどうなるか分かりません。証券取引法は詳しく分かりませんが、新しい問題が出てくるかも。
日本はアメリカに右倣えなスタンスでしょうから、XRPが証券に認定されれば、仮想通貨取引所での売買は出来なくなるでしょう。そのかわりに証券会社が扱うようになって、今までとは違う層がXRPを購入し始めるかもしれません。
また、投資家のXRPの管理が証券会社でも行われるようになる安心感から、買いは増える可能性も考えられます。管理リスクを背負いたくない証券会社は取り扱いしないでしょう。日本だとSBIの北尾氏はSBI証券でXRP扱うかもしれませんね。
ですが、不確実性が高くなっている状況になると、基本的には「一旦手放して様子見しよう」と考える集団行動が起こりやすいので、証券化が現実に近くなるほど売り圧は高くなるように思います。
ETHが証券に認定されたら?
Ethereumが証券に認定された場合も、基本的にはXRPと似たようなことになると思います。
ですが機能はブリッジ通貨として使う目的ではないですし、トークンは投げ銭みたいな事もできるので、はたしてETHを証券に認定するのかは疑問が大きいです。ETHが証券に認定されたら、今までのICOトークンも全て証券になります。それらが全て仮想通貨取引所ではなく証券取引所で売買されるのか?と考えたら無理があるように思います。
また、今回はアメリカにおけるお話しですので、他の国に対しては当てはまらないこともあります。
前述したように、仮想通貨の一部がアメリカで証券認定されたとしても、今まで通り仮想通貨取引所で売買継続できる国もあると思います。国の規制方針によるんでしょうね。
あと最後に、@さばキャさんが証券性についてcoindeskのレポートを翻訳しておりましたので貼り付けておきます。
1/ 元CFTC会長のGary GenslerがSECの「全てのICOトークンは証券である」旨を支持。さらにはETH、XRPの証券性についてもHowey Testの特徴がある事を指摘。また、仮にSECがTokenを定義して分類する場合最低2年以上を要すると発言。ただし、最終的にTokenの定義がなされ、証券として発行されたTokenは https://t.co/ohslqOB1R6
— さばキャ🌟US Attny at Law (@utah_) 2018年4月24日
2/ 公に信頼できるものであり、次世代を担うテクノロジーなりうると発言。いわゆるDuck Test「鴨のように見えるならばそれはおそらく鴨である」という帰納法を引用し、現状のICOトークンを証券として規制する事を支持。
証券か否かの議論はどの国でも避けて通れない。しかし2年もモタついてたらこの
— さばキャ🌟US Attny at Law (@utah_) 2018年4月24日
3/ 分野でイニシアティブをとる事はできないだろうな。
一方で州の立法はどんどん進み、BC関連企業がこれまで米国経済を牽引してきたCA・NYからWyomingやNevadaなどのBC friendlyな州へ移転していく傾向もあり。
州ベースの立法で連邦の基準をリードしていく方法が最善かな。
あとBTC最強伝説。
— さばキャ🌟US Attny at Law (@utah_) 2018年4月24日
「仮にSECがTokenを定義して分類する場合最低2年以上を要すると発言」だそうです。
もうちょっと先の話になりそうですが、仮想通貨の一部が証券に認定される可能性も考えて、どれをどのくらい保有しておくか考えることも必要になりそうですね。
1/ 証券or非証券?の話が米界隈では活発なんですけど、「で、証券になると私達はどーなんの?」という視点をまとめておきます。米でBTC以外のアルトが証券となった場合を仮定してみます。
a. 良い点
・全てのコイン発行元は情報を開示してSECに登録しなければならず、詐欺コインは死滅。— さばキャ🌟US Attny at Law (@utah_) 2018年4月25日
↑このツリーも一通り読んでおくと良いです。
全てのトークンやアセットはSECに情報開示する必要があるので、詐欺コインは死滅。ただしアメリカで商売する場合に限る。
良い点は、SEC審査を通過したトークンは信頼性が高まるので買いが入る可能性も大。
悪い事だけじゃないってことですね。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。