@マナです。

昨日@ネカマのなるみさんが「BCHだって相場高騰すれば手数料高騰するんだろう?」というツイートをしていた事をネタに書いています。

この考え方は間違いで、もしBCHが200万円になっても手数料は10円~20円くらいです。

ビットコインの手数料が高騰する仕組み

まずビットコインの手数料が高騰する仕組みから説明します。
ビットコインの現在の仕様は、ブロックサイズが1MB(1メガバイト)です。この1MBというサイズでは、10分につき約4000(1秒につき6.66)の取引を処理することができます。

もしこのビットコインの処理能力に対して8000とか1万とかの取引処理依頼がかけられたとしましょう。急いで取引を承認して欲しい人は、手数料を多く支払う事で承認待ちの順番を早くしてもらうことができます。

ウォレットから送金したことがある人なら分かるとと思いますが、「手数料・高速」で送ると手数料が高いかわりに着金まで10分になります。もし「エコノミー」で送ると、4時間~6時間かかります。

bitFlyerでも追加料金を支払えば、ビットコインの送金速度を上げることが出来るようになっています。

ディズニーランドのファストパスに似てる

ビットコインの手数料高騰と承認速度は、ディズニーランドの人気アトラクションにファストパスが設定されていることに似ています。

スペースマウンテンの乗客定員が50人で、10分に1本発車すると仮定しましょう。スペースマウンテンに乗りたいお客さんが10分間のあいだに50人以下であれば、誰もファストパスを買うことはありませんよね。

ですが、10分間のあいだに100人の乗客希望者が押し寄せた場合、10分ごとに50人の人がスペースマウンテンに乗りたいがために行列を作っていきます。でも「時間がもったいないから、お金を少しでも多く払って早く乗せて欲しい」と思う人はファストパスを買います。

ファストパスを買った人が優先的にスペースマウンテンに乗れるようになり、ファストパスを買ってない人は通常の列に並ぶことになります。通常の列だと結構待たされますよね。

ファストパス必須になって、料金が定額じゃなかったら?

ここで、誰もがファストパスを買わないとスペースマウンテンに乗れない設定にしてみましょう。さらに、ファストパスの料金は定額でなく、100円~10000円の間で自由に購入することができるとします。そして、高いお金を出した人ほど早く乗れるシステムだったら、どうなるか考えてみましょう。

もし1000円のファストパスを買った人が99%で、100円のファストパスを買った人が1%だった場合はどうなるでしょうか。

列に並ぶ人のほとんどが1000円のファストパスを持っているので、100円のファストパスを持って並んでいる人は次々に追い越されて後回しにされてしまいます。もしかしたら、丸1日並んでもスペースマウンテンに乗れないかもしれません。

そして、1000円のファストパスを買った人が99%であれば、その中から「もっと高いお金を出して良いから、早くスペースマウンテンに乗せて欲しい」と思う人も出てくるでしょう。多くの人が3000円~5000円を出したとしたら、今度は1000円ファストパスの人がいつまで経ってもスペースマウンテンに乗れなくなってしまいます。

「1000円のファストパスじゃいつ乗れるか分からないのかぁ・・じゃぁ3000円払うか」となり、1000円ファストパスの人も3000円かけてようやくスペースマウンテンに乗れるようになります。

これがビットコインの手数料が高騰する仕組み。原因は10分間のうちに4000の取引しか処理できないからです。

Segwitについて

2017年8月にSegwitという、1つの取引データサイズを小さくする仕様が付加されて、10分間に約7000の取引処理ができるようになりました。ですが、このSegwitを使うには取引所やウォレット側の開発が対応する必要があるため、今日の時点では15%ほどしか使われていません。

今月から海外の大手取引所やウォレットがSegwit対応を発表したので、送金詰まりや手数料高騰は少し落ち着く可能性はあります。ですが、それでも処理能力に対してる依頼される取引が多いので、LighteningNetworkという別の技術で送金詰まり解決を目指している最中です。

ビットコインキャッシュ(BCH)の手数料が高騰しない仕組み

では本題のビットコインキャッシュ(以下、BCH)の手数料が高騰しない仕組みについてです。

BCHのブロックサイズは現在8MB(8メガバイト)で、10分間ごとにビットコインの8倍の取引量を処理することができます。約32000の取引数ですね。

ブロックサイズがビットコインより大きいので”ビッグブロック”とも言います。

現状の送金手数料は、Bitcoin.comウォレットを使えば1円未満(0.68円くらい)です。
(取引所から送るともっと高く、200円程になります。これは、取引所が単純にピンハネしているからです。システム保守にもお金がかかるでしょうから仕方ないとは思います。)

取引が増えて8MB以上になったら?

では、もしビットコインキャッシュ(BCH)の取引が増えて8MB(10分間中の取引数32,000)を超えたらどうなるでしょうか?

その時は、BCHはブロックサイズを10MB、12MB、と拡張します。取引が増えてブロックサイズ上限に達しそうになれば、サイズを上げていく仕組みなのです。
BCHはハードフォーク無しで32MBまでブロックサイズを引き上げられる仕様です。つまり、今のビットコインの32倍の取引量を処理することができます。

もし32MBを超える取引になれば、ハードフォークしてさらブロックサイズを引き上げていく予定です。これは2018年5月、11月のハードフォークで何らかの処理がされる予定です。

つまり、ブロックサイズを引き揚げ続けることにより取引の詰まりが無くなるので、「手数料を高く支払って承認優先してもらおう」という事も無くなります。結果として、手数料は安いままになります。

先ほどのスペースマウンテンとファストパスの関係に例えれば、乗りたい人が増えるほど、スペースマウンテンの乗客キャパシティを上げる仕組みです。ファストパスを買わなくても10分以内に乗る事ができます。

ビットキャッシュ(BCH)の手数料

↑先日ビットコインキャッシュ(BCH)のウォレットから1BCHを送金した時の手数料です。1送金0.000002BCH(0.39円)。1BCHが200万円になっても8.5円の手数料で済みます。

ですが、ウォレットの場合は手数料計算がウォレット会社によって差がありますので、現在でも1送金6円くらいかかるウォレットがあります。それでもビットコインよりかなり安い状況です。

ビットコインキャッシュの目指すところ

ビットコインキャッシュ(BCH)の開発陣やコミュニティの発言を見ていると、目指すところは「グローバルに、安い手数料で、誰でも簡単に」だと感じています。

確かにどんなに取引が増えてもそれが実現できれば面白いし便利だと思うのですが、ビットコイン・ビットコインキャッシュ共にP2Pで取引データを照合し合いながら動いています。ブロックサイズが大きくなるほど伝播させるデータサイズも大きくなるので、どこかのブロックサイズで何らかの副作用が出るのでは?という懸念があります。

解決策は開発陣の間でいろいろと講じられているし、技術の進化も考えられるので、もしかしたら問題無く機能していくかもしれませんが、まだ未知です。

BCHの懸念については、「ビットコインキャッシュ(BCH)の問題点・クリプト界大御所言及編」を、
技術の進化については「ビットコインキャッシュの使用ブロック伝播速度を10倍にする新技術”Graphene”」もご参考頂けると思います。

ビットコイン・ビットコインキャッシュ(BCH)共に技術・考え方・思想・マーケティング力が違うので、今後どうなっていくかはまだまだ分かりません。

このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。