こんにちは、仮想通貨について調べることが趣味の@マナと申します。
このページは【随時更新】人気の仮想通貨・調査方法・銘柄に挙げた通貨ごとの詳細を書いており、テーマはNEM(XEM)の詳細と、私が考える投資判断を書いています。
自身の学習からの判断で書いておりますゆえ、あくまでちょっとした参考程度として頂ければ幸いです。
目次(各見出しにジャンプできます)
仮想通貨 NEM(XEM)とは
- NEM ネム(New Economy Movement 新しい経済の動き)
- 単位:XEM(ゼム)
- 総発行枚数:8,999,999,999XEM(約90億XEM)で、全て発行済
- 誕生日:2015年3月29日
NEMが生まれた経緯と配布方法
NEMはbitcointalkで開発企画の話が持ち上がった。目的は、新たな分散型ネットワークを作り、公平と平等主義を促進させること。
当時のアイコンは以下のデザインであった。
約1,600人の投資家に平等に分けられた経緯があるが、これは1メールアドレス単位で振り分けであり、一人複数メールアドレスを利用して多くのNEM(XEM)を得た人もいるようである。個人で数千万NEMを保有している人もいる。
NEMは全通貨発行済、マイニングが無い
NEM(XEM)にはマイニングが無い。約90億枚通貨が全て発行済である。
ビットコインと比較しよう。ビットコインは”マイニング”という作業で通貨が少しずつ新規発行されていく仕組みである。この作業には膨大な数の演算処理装置と電力が必要であり、ビットコインの価値の源泉の一部分にもなっている。もちろん、ビットコインを欲しがる人も多いので、その需要からも価値が付いている。
だが、NEM(XEM)にはビットコインのような仕組みが無い。では「どうやって価値が付くのか?」という疑問が生まれるが、これは「需要・実需・将来への期待値」で成り立つと考える。
後述するが、NEMの機能は決済手段だけではなく、公証(アポスティーユ)・独自トークンの発行(モザイクの発行)・投票・ネームスペース作成などの機能を有している。NEMというブロックチェーンを使えば、これらの機能を使う事ができるわけだ。この需要が拡大すれば、手数料としてNEMが使われることになり、NEMの需要が増加する。需要が増加すれば価値が上がる、という仕組みである。
また、「NEMが将来いろいろなところで使われるのでは?」と期待している人がNEM(XEM)を欲しがることでも、価値が付く。発行枚数が限られているので、需要が多くなるほど1枚あたりの価値も増す。
ハーベスト(収穫)
「NEMはマイニングが無い代わりにハーベストがある」と聞いたことがある人も多いのではないだろうか。あまり難しい用語で仕組みを語っても分かりにくいと思うので、ざっくりと書いておこう。
NEMを取引所や他のウォレットに送金する場合、手数料が必要である。NEMを多く送るほど手数料が多く必要になる。(上限は現在1.25XEM)
じゃぁその手数料はいったい誰が貰うのか?これは、ハーベストに参加している人が手数料の一部を”ハーベスト報酬”として受け取ることができる。
ハーベストに参加するには、NEMの公式ウォレットであるNanoWalletアカウントを作り、10,000XEM以上を保有する必要がある。
NEMのNanoWalletに10,000XEM以上入れて、ハーベスト機能をオンにして放置している結果をご紹介しよう。
0であったり、0.05XEMと少ないこともあるが、たまに10~40XEMなど大きなハーベスト報酬を得られることがある。勿論毎日ではないにしても、PCの電源をオフにしていてもPoIスコアがそれなりに高ければ、利息を得られるようにハーベスト報酬が得られる。(PoIスコアについては後述する)
ただし先述したように、このウォレット内のNEM(XEM)を動かさないとPoIスコアは下がっていく一方になるので、ハーベスト報酬を得られる機会も減っていく。
私のウォレットはほとんどNEMを動かす機会が無くホールドしっぱなしなので、最近はハーベスト報酬を得る機会がかなり少なくなってしまった。それでも銀行の預金金利よりは遥かにマシである。
PoI(Proof-of-importance)
なお、10,000XEM保有者は誰でもハーベスト報酬を受け取れるわけではない。これにはPoI(Proof-of-importance・重要性)スコアが関わってくる。
PoI(Proof-of-importance)は、NEMのネットワークに参加してNEMを沢山送受信したアカウントはPoI値が上昇し、ハーベスト報酬を獲得できる確率が上がるのである。
つまり、ただ沢山のNEM(XEM)を持っていれば、それだけでハーベスト報酬が増えるというものではない。沢山動かしてNEMブロックチェーンを利用したアカウントがハーベスト報酬を受取やすくなる仕組みである。
なお、PoIは上がれば固定はされず、下がる事もある。ネットワークに参加すればするほどPoIは上がるが、参加数が減るほどPoIは減る。
NEMのPoIとビットコインなどが採用しているPoWの仕組みの比較や問題点については、NEMの説明書「PoIとは」も参考にして欲しい。
NEMのスーパーノード
NEMは分散化ブロックチェーンであるが、300万XEM以上保有者はスーパーノード(SN)を立てることができ、1日約320XEMの報酬が別途与えられている。
このSN報酬が目的でXEMを買い集めている人もいる。
このSN報酬の原資はNEM財団が保有する約2.5億XEMとなっており、いずれは枯渇する。枯渇した場合はトランザクション手数料の一部がSN報酬として割り当てられる予定である。
現在560のスーパーノードがあり、1日合計約18万XEMがSN報酬として支払われている。
NEMの処理能力とCatapult
NEMの現在の処理能力についても注目しておこう。
仮想通貨にはそれぞれ「スケーラビリティ」というものがあり、「1つのブロックに取引をどれくらい詰め込めるか?」の能力である。
例えば、ビットコインは1秒間に平均約6つの取引を詰め込めるのだが、需要過多で10万件分の取引が詰まっていることが日常化し、これが手数料の高騰を引き起こしている原因にもなっている。また、ブロック生成間隔は平均10分である。
NEMは現在1ブロックで120件の取引(トランザクション)なので、1秒間に平均2つの取引を処理できる。ビットコインより処理できるトランザクション数が少ないが、ブロック生成間隔が60秒と短時間であることが特徴である。着金完了までの時間が非常に短い。
なお、2018年に「Catapult」という機能がNEMに実装される予定であり、1秒間に4000取引を処理することが可能になる。VISAのトランザクション処理能力は4000~6000であり、これに匹敵する能力である。つまり、NEMは将来的に送金需要が多くなっても、それに対応できる仕様になる。
通貨名 | トランザクション処理能力/秒 | ブロック生成時間 |
NEM | 2 (1000Tx/s) |
約1分 |
NEM(Catapult実装時) | 約4000 | 約1分 |
Bitcoin | 約6 | 約10分 |
Ethereum | 約15 | 約15秒 |
XRP(Ripple) | 約1000~1500 | 非ブロックチェーン |
NEMの機能
それでは、NEMが持っている機能をざっくりとご紹介しておこう。
決済機能
まずは決済機能。
日本ではNEM(XEM)の人気が高いこともあり、東京にNEMバーや、ベルギービール専門店のサンタヌルーがあり、この店舗ではNEM(XEM)で決済を行うことができる。また、NemcheというNEM専用のフリマサイトや、NEM(XEM)支払いのフリーマーケット「Nemket」が開催されていたりと、NEM決済可能な場面が増加中である。
決済をするには、PCにインストールしたNanoWalletから相手のNEMアドレスに送信しても良いし、NanoWalletのスマホ版にNEMを入れておいて、外出先で送金することも可能である。
アポスティーユ(公証)機能
アポスティーユ(Apostille)とは、公に証明すること。
行政絡みの不動産登記、著作権、監査、所有権、特許、債務の証明書などがブロックチェーン上に登録できるというものだ。
「仮想通貨で公証??」と疑問に思われる人もいると思うが、仮想通貨とは決済に利用するだけではない。1400種類以上ある仮想通貨はそれぞれいろんな特徴や機能を持っている。
つまり、NEMの場合はブロックチェーン上に「こういう証明書を登録しておきます」ということができる。ブロックチェーンは改ざんが不可能ゆえ、証明書登録関連とは相性が良い。
また、NEMのようにオープンソースのブロックチェーン上で公証を行うことで、誰でもその情報にアクセスする事ができる。
例えば、あなたが「この画像の著作権だろう?調べたい」と思ったとする。もしNEM上のブロックチェーン上にその画像の著作権情報が登録されていれば、あなたはNEMにアクセスして著作権者を調べることができる。
グリーンアースゼロサービスでは、コスタリカの土地登記・所有手続きにNEMのブロックチェーンを利用すると発表しているが、これはアポスティーユ(公証)機能を使ったものであることが推測できる。
CryptocurrencyのマイニングスタートアップAvalon Lifeは、参加者がコスタリカの土地を平方メートルで所有できるようにする、ブロックチェーンベースのテクノロジーであるグリーンアースゼロサービスを発表しました。このサービスはNEMのブロックチェーンテクノロジで実行され、暗号化されたGREEN EARTH ZEROトークンによってサポートされます。
via:coinvedi
モザイク(Mozaic)機能、ネームスぺース機能
NEMには自分独自の仮想通貨を作る機能がある。そのためにはネームスペースも利用する必要があり、この2つの機能はセットで用いる。ネームスペースについては詳しく書いている人がいるのでググり推奨。
独自通貨を作る流れとしては、まずネームスペース機能を使ってインターネットで言うドメインのようなものを取得する。そしてモザイク機能を使えば独自通貨を発行できる。動作はNEM上で行われる。
投票(Voting)
NEMのブロックチェーンを利用して投票を行うことができる。
この機能はPoI(重要性スコア)投票と、1アドレス1票のホワイトリスト投票の2種類を利用することができる。
デリゲートハーベスティング
先述したハーベストを行う時はこの機能を使います。
1:ハーベストを行うための手数料XEMを0.15XEM支払い、2:24時間後に「デリゲートハーベスティングを開始」でハーベストが始まります。
あとは放置するだけです。
マルチシグ・マルチユーザーアカウント
複数人で1つのNEMウォレットを使いたい・管理したい場合にこの機能を使います。
例えば、マルチシグ機能を使って1つのNEMウォレットをAさん・Bさん・Cさんの3人で管理するとします。
AさんがNEMで何か決済に利用したい場合、マルチシグではAさん一人の独断では決済することができません。BさんとCさんの承認を得る必要があります。3人が承認して決済を行うことができます。
また、マルチシグのウォレットを1つ作成して、NEMのブロックチェーン上にXEMをデポジット(保証金)しておいて、マルチシグメンバーの内Cさんから何らかの代金請求が行われた場合、残り2人のAさんBさんが承認をすればCさんに代金支払いが行われる、という使い方も可能です。
mijinとNEMの関係
NEMを調べていると「mijin」という言葉に出合うことがあるが、mijinはNEMのプライベートチェーン版である。
NEMは誰でも利用できるパブリックチェーン、mijinはNEMの機能を持った個人や企業が限られた範囲で利用するためのプライベートチェーンである。
例えば、「ウチの社内だけでブロックチェーンを用いた公証の機能を使いたい」という需要がある場合、NEMではなくmijinを利用すれば良い。mijinの開発はZaif(ザイフ)取引所を運営するテックビューロが行っている。
mijinは既に国内の採用例があるので、「mijinブロックチェーンがジビエ食肉流通トレーサビリティに採用」の記事を参考にして欲しい。
先述したCatapult(カタパルト)は、先にmijinに実装される予定で、その後NEMにも実装されていく。
NEM.io財団について
NEM.io Foundation Ltd(NEM財団)がシンガポールに設立されでおり、様々な国に財団支部を作っていく予定である。
最高責任者はLon Wong氏で、Zaif(ザイフ)取引所を経営するテックビューロ社のCEO、浅山隆雄氏は理事である。ZaifがNEMを推す理由にもなっている。
NEM(XEM)の投資判断
ここから先は、NEM(XEM)に対する私の投資判断となります。自分の意見・見方・考え方が強く反映されているため、予めご了承願います。
NEM(XEM)の下落リスク
SN報酬枯渇リスク
NEM(XEM)で考えられる相場下落リスクは、「スーパーノード(SN)報酬の枯渇・減収により、スーパーノードが解体されてNEMが市場に売られていくのでは?」という点である。
先述した通り、NEM財団のSN報酬割当分からスーパーノード報酬が支払われているため、いつかは枯渇する。(予定では2020年夏頃)。
その後はトランザクション(取引)手数料の一部がSN報酬として支払われる予定であるが、それがどのくらいの報酬になるかは分からない。枯渇する頃にはNEMの相場も上がっていて、トランザクション(取引)数も多くなっている事を想定しての対応策ゆえ、この点については未知であり、今後どれくらいNEMが市場で使われていくかに関係している。
また、SN報酬財源が枯渇した場合、他の財源を割当してSN報酬分配を延長するという情報もある。(人伝いに聞いた話なので、情報ソースは無い)
確かにSN報酬の枯渇・減少でスーパーノード解体による売り浴びせで一時的な下落が起こる可能性は考えられる。しかし新しいSN報酬形態に移行した場合でも黒字化になるのであれば、新たにスーパーノードを立てたいと思い、購入する層もいると考えられる。(私がその一人である)
さらに、現在のスーパーノード保持者は約560で、全体で16.8億XEM。これはNEM全体の発行量の18.6%にあたる。これが一気に投げ売られることが考えにくいため、そこまで大きな暴落が来るとも個人的には思わない。
もし暴落が起こるとすれば「SN報酬枯渇」のニュースで恐怖感を抱いた、SN以外のホルダーの投げ売りである。この点については冷静に考えておく必要がある。
日本人購入者が多い
NEMの購入者の多くは日本・欧州である。
NEMのスーパーノード分布図を見てみよう。
日本で約160のスーパーノード数は約160。
欧州のスーパーノード数も全て合計して約160。その他約300のスーパーノードが全国に分散されている。
また、テックビューロ社が行ったICOの「COMSA」の件でロシアにもNEMは広まりつつある。
私は2017年にNEMを知ったが、2018年にかけて日本市場でNEMが大いに盛り上がっている。NEM決済店舗も拡大しつつあり、東京にはNEMバーも誕生。NEMを使ったアプリを作りやすいという声も散見する。
逆に考えれば、NEMはビットコインやイーサリアムのように幅広い地域での認知度は低く、一部の地域で盛り上がっている状態とも言える。日本でこの先も盛り上がれば需要は大きくなるが、その逆もあり得る。だが、他の国での認知度が高まる可能性も考えられる。以上のことから、NEMの将来性は未知であり、伸びしろはあると判断する。
コインチェックの5.2億XEM盗難事件
2018年1月26日、コインチェック社から5.2億XEM(当時価620億円相当)が盗難された事件が起きた。この事件は海外の仮想通貨メディアニュースでも大々的に報じられた。
NEM財団や@mizunashiさんらの尽力により、5.2億XEMにマーキングされて取引所で換金されると足が付く状態にはなっている。だが、この5.2億XEMが売られるような展開になれば、一時的にNEMの価値は下落を引き起こす可能性がある。なお、盗難されたXEMは全発行量の5.8%にあたるため、そこまで大きな下落は無いと考える。
なお、この事件はあくまで取引所側のセキュリティの脆弱性を突かれた起こったものであり、NEMに脆弱性があったものではない。この事件でNEMの認知度が広まったことは確かだろう。
NEMの高騰材料
NEMは個人ブロガーも含めて日本語の情報がとても多く、他のメジャーな仮想通貨に比べると見た目の単価が安いことで、仮想通貨市場への新規参入者の購入のきっかけになっている。
実際に、2017年12月から2018年1月にかけて仮想通貨市場が3倍にも膨れ上がった時、NEMは約20円から250円ほどまで高騰した事実がある。この時NEMが何かに採用されたなどの好材料は無かった。「単価が安く日本語情報が豊富」という理由から高騰したと考えられる。今後も同じ理由で購入をする市場参加者は出てくると考えられる。
また、日本によるコミュニティも拡大しつつあり、個人がNEMに関連したプロダクトを作る様子も多く見かけるようになった。モナコインは日本のみで流行している仮想通貨だが、これもコミュニティが発展して実需に発展している。2017年1月は1MONA3円程度だったが、1800円まで高騰している。
NEMもこれに近い現象が起こる可能性が有り、海外の取引所でも購入できるため、他国の仮想通貨市場参入者がこれから興味を抱くことも考えられる。
NEM(XEM)を購入できる国内の仮想通貨取引所
現在NEM(XEM)日本国内の取引所は下記の通り。
DMM BitcoinもNEMの売買はできるが、この取引所はアルトコインの信用トレードがメインとなっており、取引所から引き出せる通貨はビットコイン・イーサリアム・日本円のみとなっている点には注意して頂きたい。
NEMの総括
NEMはPoS(Proof of Stake)に近い方式で、マイニングが無く全通貨が発行済である。
実需がそのまま価値に反映されるため、今後の需要がどれくらい拡大するかが成功のキーになると考える。
世界単位での需要に発展するかは分からないが、日本国内のみでの発展の可能性はある。
仮想通貨自体がまだ黎明期(夜明けのような時期)だが、日本で盛り上がっているNEMの行く末は今後も見続けていきたい。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。