ビットコインキャッシュ(BCH)とは,投資判断

こんにちは、仮想通貨について調べることが趣味の@マナと申します。

このページは【随時更新】人気の仮想通貨・調査方法・銘柄に挙げた通貨ごとの詳細を書いており、テーマはビットコインキャッシュ(BCH)の詳細と、私が考える投資判断を書いています。

自身の学習からの判断で書いておりますゆえ、あくまでちょっとした参考程度として頂ければ幸いです。

ビットコインキャッシュ(BCH)とは

概要

ビットコインキャッシュは、ビットコインのハードフォークで生まれた仮想通貨。

誕生は2017年8月1日18:24:41(UTC)、ビットコインのブロック高478558で発生。このブロック高時点で、ビットコイン保有者には、同数のビットコインキャッシュが付与された。

総発行枚数はビットコインと同じ2,100万枚であり、PoW(Proof of Work)アルゴリズム(SHA-256)でマイニングされる。

なぜハードフォークして分裂したか

ビットコインは仮想通貨市場の拡大にともなってスケーラビリティの問題に直面しており、送金が詰まり、さらに手数料を高くしないと通常時間通り着金しない状況になっていた。

そこで、大手マイニングプールのviaBTC主導で、現在のビットコインの問題点を解決するビットコインを生み出そうとした。その結果、現在のビットコインのチェーンから分岐させて、新しい仕様のビットコインキャッシュが誕生した。

ビットコインとビットコインキャッシュの違い

ビットコインとビットコインキャッシュの違いは”ブロックサイズ”である。

ブロックには取引データを詰め込むのだが、ビットコインのブロックサイズは1MBで、約4,000のトランザクション(取引)データを格納して10分ごとに処理できる。つまり1秒間に約6~7の取引を処理できる仕様である。

ブロックサイズが小さい事で、仮想通貨市場規模の拡大に伴い、ビットコインの送金が詰まり、手数料が高騰し始めてしまったのである。

対して、ビットコインキャッシュの場合はブロックサイズが8MBの大きさであり、ハードフォークをせずに32MBまで拡張できる仕様である。つまり、ビットコインよりも最低8倍の取引量が処理できる仕様である。

デフォルトのブロックサイズ8MBがトランザクションで満たされた場合、さらにブロックサイズを上げていくことで、より沢山の取引を処理し、手数料を安いまま維持できるというメリットがある。

さらに、今後の仕様変更では、もっと大きなブロックサイズに拡張できるようなハードフォークが行われる予定である。2018年では5月と11月にハードフォークを予定しているが、これは分裂ではなく、あくまで仕様変更である。

マイナーの動き

ビットコインキャッシュのマイナーは分かっている範囲では主に中国で、viaBTC、Bitcoin.com、antpoolである。unknownのマイナーも多いが正体は不明である。また、2018年以降はGMOとSBIグループがビットコイン・ビットコインキャッシュマイニングに参入している。SBIグループはビットコインキャッシュのシェア3割を目標としている。

ビットコインキャッシュマイナー

2017年12月20日以降、ビットコインキャッシュへのハッシュレートが少し増加している。上記画像はビットコインとビットコインキャッシュのハッシュレート比グラフであり、青がビットコインキャッシュである。ご覧の通り、ビットコインをマイニングするマイナーはまだ多い。

ビットコイン・ビットコインキャッシュハッシュレート

2018年6月20日時点のハッシュレートでは、ビットコイン:ビットコインキャッシュ=80:20のまま推移している。

ビットコインキャッシュの報酬

マイナーは基本的に儲かる方をマイニングする傾向である。BITMAINのマイニングファームは、スイッチ一つでビットコインとビットコインキャッシュのマイニングを切り替えられるようにしているらしい。

なお、ビットコインキャッシュの採掘難易度はブロックごとに調整される仕様に変更されたせいか、最近は両者のマイニング報酬にあまり差が出ないようになっている

ビットコインキャッシュの相場歴史

ビットコインキャッシュの相場BTCペア

↑こちらはBTC建てのビットコインキャッシュ相場チャート。

ビットコインキャッシュの相場JPYペア

↑こちらはJPY建てのビットコインキャッシュ相場チャート。

ビットコインキャッシュが誕生した2017年8月1日、取引所に上場されてすぐにビットコインの1割にあたる価値が付いた。その後一旦4割まで上昇し、ビットコインが高騰、それにつれてビットコインキャッシュもじわじわと相場を上げている。

また、2017年11月に予定していたビットコインSegwit2×ハードフォークではリプレイプロテクション未実装だったこともあって、ビットコインに不安が起こり、リスクヘッジとしてビットコインキャッシュが見直された。

2017年12月21日にはアメリカ最大規模の仮想通貨取引所GDAXに上場したことで、さらに高騰した。

また、2018年5月15日にビットコインキャッシュのハードフォーク(アップデート)前には1BCH=約20万円まで高騰している。

ビットコインキャッシュの開発

ビットコインキャッシュは、複数の開発チームがある状態で、それぞれ連携しあいながら開発を行っている状況らしい。代表的なところではBitcoin.ABCである。

対してビットコイン(ビットコインコア)の場合は、主にブロックストリーム社が開発の大部分を担っている状況になっている。

スモールブロック派とビッグブロック派の対立

ビットコインはブロックサイズが1MBブロックであることで、”スモールブロック派”。ビットコインキャッシュはブロックサイズを拡大していくことで”ビッグブロック派”と言われることがある。

それぞれサポーターがいて、SNSなどでは両者の対立的な発言を見ることができる。

ビッグブロック派の主張としてよく見られるのが、「ビットコインキャッシュがSatoshi Nakamotoの論文に沿った本当のビットコインである」というものである。

※ちなみに私はどっちの派でもありません。

サードパーティの動き

多くのECサイトが手数料の安さ、決済速度の安定性を評価し、ビットコインキャッシュ決済に切り替えている。

また、2018年はサードパーティがHandcashという、端末同士を近づけるだけでビットコインキャッシュの送受信が行えるシステム・アプリをリリースしている。

さらに、SMSでビットコインキャッシュを送受信するCointextというシステムもリリースされ、主に発展途上国、新興国市場をターゲットにしている。

2018年5月15日のハードフォーク内容

  • ブロックサイズが8MBから32MBへ拡張
  • オペコード(Operation Code)の導入

メインはブロックサイズの拡張であったが、現在の状況では実際に2~4MBほどしか使われていないため、今後の発展に向けてBCHが大量の取引処理をこなせるように準備したものである。また、オペコードが利用可能になることで、スマートコントラクトの実装も可能になる予定である。

次回のハードフォークは2018年11月を予定している。

ビットコインキャッシュの投資判断

※ここからは私個人の考えが入っておりますので、参考程度にしてください。

ビットコインの現状

仮想通貨市場拡大に伴って、ビットコインの送金詰まりは深刻である。解決策はLightning Networkであるが、この実装にはまだ長い時間がかかると見込まれている。なお、既にデモが出来る状態にはなっている。

緩和策としてはアトミックスワップを使うか、既にアクティベートされているSegwitの利用を増やすことであるが、これもなかなか進まない状況である。Segwitは2017年8月に実装されて、1MBブロックの中に実質1.7MBのトランザクションデータが詰め込めるようになったものの、利用率は10%程度である。

このように、この先1年を考えればビットコインの送金詰まりを現実的に解決できる状況ではない。ビットコインの送金手数料は1送金2000円~3000円に高騰し、ビットコイン決済を止める企業やECサイトが増えている状況である。

マイクロソフトもビットコインの利用を一時停止した。現在は復帰させている。

2018年1月末にコインチェックのNEM盗難事件をきっかけに、仮想通貨市場が冷え込み始めてからは、ビットコインの送金詰まりもほぼ解消された。ゆえに、手数料も数十円~100円台で安定した送金ができている。ただし、根本的な解決にはなっていないので、また市場が盛り上がれば手数料も高騰、送金も詰まってしまう。

2018年2月にはアメリカの大手取引所CoinbaseがSegwitをサポートして、少しではあるがビットコインの送金詰まりを緩和する材料にはなったが、それでもSegwit利用率は30%程度であり、ビットコインの送金詰まり解決に至るにはLighteningNetworkの開発・普及が不可欠な状況となっている。

ビットコインキャッシュ利用者が増えている

かわりに台頭しているのがビットコインキャッシュで、最近は中小規模店やECサイトで導入され始めている。

送金手数料は1円未満~高くても6円程度という安さで、ブロックサイズが8MBという大きさゆえ、トランザクションの詰まりも無いからである。

アメリカの大手仮想通貨決済会社のBitpayはSegwit対応よりもビットコインキャッシュ対応を優先させた。

また、ビットコインキャッシュを基軸とした仮想通貨取引所([coinex]、Kucoin、OkEX、その他インドの取引所)がオープンし、既に売買を開始している。

さらに、ビットコインキャッシュのVISAデビットカードが登場予定など、実需面でも好材料が多く出てきている。

【関連ページ】
【2017年12月追記】ビットコインキャッシュ(BCH)の好材料ニュースまとめ
【随時更新】ビットコインキャッシュ(BCH)決済ができるお店と通販サイト

※OKEX,Kucoinによるビットコインキャッシュ基軸取引採用は途中で中止になりました。

トランザクションはイーサリアムが増加中

2017年~2018年1月の間はビットコインのトランザクション詰まりが大きく問題になったが、2018年6月時点ではビットコインの送金詰まりはほとんど起きていない状況であり、送金手数料も数円を維持している。

代りに送金で使われているのがビットコインキャッシュ・・ではなくイーサリアムである。特に2018年からはイーサリアムでの送金利用が増加した。多くの仮想通貨取引所がイーサリアム建てで取引できる状態になっていることも関係していると思われる。

ただ、イーサリアムの用途は決済というよりはプラットフォーム。現在はトレードやICOの為の送金需要が多い状況であり、ビットコインやビットコインキャッシュの用途とはちょっと毛色が異なる。

SBIグループの出方

個人的に気になっているのはSBIグループの出方で、仮想通貨事業においてはビットコインキャッシュとリップル社のXRPを強く推している方針であることだ。

SBIグループはSBI証券口座にて400万口座の顧客情報を持っているゆえ、この層に対して何らかのマーケティングを仕掛けてくるとも思われる。また、マイニングをしてBCHを保有するだろうから、BCHの相場向上を目指す動きをするとも思われる。

ビットコインキャッシュの今後の懸念

ビットコインキャッシュは今後送金詰まりなどの問題が出ないのか?という疑問が起こるが、これはビットコイン同様に指摘されている。

ブロックサイズを大きくすることでネットワークの伝播が正常に行われない可能性が指摘されている。この可能性については、実際にビットコインキャッシュの利用者が増えてトランザクションが増え、ブロックサイズが8MB以上にならないと分からない。

もしかしたら今後、ビットコインキャッシュもビットコイン同様、何かの問題に直面する可能性はある。

この問題点については、以下の2記事を参考にして欲しい。クリプト界大御所言及編では、日本でも暗号通貨に詳しい人がいろいろ言及して頂いた。

【関連ページ】
ビットコインキャッシュの問題点を調べて考えてみた
ビットコインキャッシュ(BCH)の問題点・クリプト界大御所言及編

だが、ここまでの問題に直面するにはおそらく3年~5年ほど長い時間が必要と思われる。その頃にはまた新しい技術などを実装しているかもしれないので、現時点ではそこまで心配するような問題ではないと思われる。

実需面では成長が見込まれる

以上の情報や状況から、しばらくの間は実需面での材料が充実しているが、需要に伴ってそれが相場にどう反映していくかは未知である。

ビットコインのLightningNetworkが世界中で使えるようになった場合は、仮想通貨決済の覇権はビットコインが握るようになるかもしれないが、これが実現されるかはわからなく、高いハードルが待ち受けている。

2018年以降は、CointextやHandcashのサービス開始にあたり、ビットコインキャッシュに関するマーケティングや実需が拡大していくと推測される。また、ビットコインキャッシュのブロックサイズが拡大されてもネットワークで問題が生じない場合は、そのままビットコインキャッシュが発展していく可能性もある。

ビットコイン・ビットコインキャッシュとも現在は通貨決済における壮大な社会実験中であり、今後はどちらも開発と変化を経て成長していくものと思われる。

なお、ビットコイン、ビットコインキャッシュ共に今後どうなるかは分からない。立場逆転という可能性もゼロではないので、もし長期保有するつもりであれば個人的には同数の保有が良いと考える。

【参考エントリー】ビットコインとビットコインキャッシュどっちを購入・保有すべきか?

ビットコインキャッシュが購入できる仮想通貨取引所

日本でビットコインキャッシュが購入できる取引所は、下記の通り。

手数料が一番安く購入できるのはZaifであり、初心者の方にも簡単に購入できるのは販売所形式のコインチェックかGMOコインである。ビットバンクは板取引となる。

ビットフライヤーはスプレッドが大きすぎるので、購入時は相場よりもかなり高くついてしまうのであまりお勧めしない。ビットコインFXを行うには良い取引所である。

以上、ご参考頂ければ幸いです。
 
※本エントリーはあくまで個人的な調査に基づくものであり、正確性や将来性については一切の保証を致しません。

このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。