こんにちは、@マナです。
2017年10月6日のウォールストリートジャーナルの記事「IMFのSDRがビットコイン化する日」が元ネタです。
国際通貨基金IMFが、SDR(特別引き出し権)を仮想通貨(暗号通貨)に置き換えていく将来性について話したようです。
ビットコインは忘れ、「IMFコイン」を検討せよ。国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事はマネーの将来について熟考してきた。その結果、それが国際通貨体制の番人から生まれるチャンスはそれなりにあるとみている。
ラガルド氏は先週、英イングランド銀行(中央銀行)で開催されたフォーラムで、将来デジタル通貨になる可能性があるとしてIMFの特別引き出し権(SDR)を取り上げた上で、SDRが既存の国際通貨に取って代わるとの観測に「疑問符」をつけた。SDRのデジタル化は「とっぴな仮定ではない」ため、IMFは準備しておく必要があるとしている。
なんのこっちゃ?と思われる人もいるでしょう。
ざっくり言うと、IMFの偉い人が「世界共通の通貨であるSDRを暗号通貨に置き換えるのどう?もうドルが世界の覇権を握ってる状況はなんとかしたい」と言ったというニュース。
つまり、”IMFがブロックチェーンの仕組みを用いた通貨に大きな興味を抱いているということを意味している”ってことです。
注意したいのは、ビットコインを国際通貨基金に使うんじゃなくて、IMFが独自の仮想通貨(暗号通貨)「SDRコイン」のようなものを作って、これを世界の共通通貨として使っていくことも考えている、というニュースであること。
SDR(特別引き出し権)とは?
SDR(特別引き出し権)とは、IMFが準備している、他国に貸し出すためのお金と資産。1969年に創設した国際準備資産。
それぞれの国は、いざという時の為に自国の通貨に加えて他国の通貨を準備しておくようにしています。海外への支払いなどにも使うからです。
ですが、通貨危機が起こって自国の通貨の価値が大幅に下がったり、準備している外貨だけでは支払いに使う分などが足りなくなった場合、IMFからお金や資産を借りることが出来ます。その権利と資産をSDRと言う。
外貨準備金とSDRの問題
そこで問題なのが、SDRがどんな資産で構成されているか、日本などの国がどこの通貨で外貨準備金を持っているか。これは7割がドルや米国債券で持っていると言われていて、世界全体で外貨準備金に500兆円分のドルを買っているらしい。
それぞれの国は自国の通貨をドルや米国債に換えて持っているわけで、これが何を意味しているかというと、その国が外貨準備金分では自国通貨で負債を抱えているという解釈ができる。
例えば日本が全体で1000兆円持っているとして、その1割をドルに換えたとすると、使える日本円は900兆円。資産は1000兆円分あるのに900兆円で国を回さなければいけない、ゆえに経済成長を抑えつけている。
かといって、通貨危機が起こって自分の国の通貨が異常な暴落をするかもしれないと考えると、「外貨準備金として持っているドルは準備しておかなくちゃ。世界ではドルが強いから、ドルを持っていれば緊急時に何とか対応できる」と思って、ドルを持ち続けるしかなくなる。
ゆえにIMFが持っているSDRも、ドルに偏ってしまう。通貨危機が起こって加盟国が必要とするものはドルだから。つまり、世界ではドルがめちゃくちゃ強くなってしまっていて、これが世界経済を歪めているという見方をしているのがIMF。
こんな状況で仮にドルが破たんした時を考えてみると恐ろしいですよね。
SDRが暗号通貨に置き換われば?
じゃぁ、もしIMFで世界共通通貨「SDRコイン」を生み出して、それぞれの国が世界のどこでも使えるようになったとしたらどうなるか?
通貨危機が起こって自国の通貨が暴落したとしても、その国がSDRコインで他国に支払うことができるようになるから、大量のドルを保有しなくても済むようになる。
それぞれの国は外貨準備としてドルを持たなくて良くなると、自国の通貨をフルに自由に使えるようになるので、経済の活性化が期待できるよね、とIMFは考えているらしい。
ちなみに1940年にケインズとシューマッハーがこの仕組みと似たような通貨である「Bancor(バンコール)」を提唱したんですが、アメリカが反対して実現しなかった過去があります。(ちょっと前にICOをしたBancorとは別ですよ)
まとめ
IMFはブロックチェーン通貨に興味を持っている。
IMFが興味を持って関連した発言を行うのであれば、世界中が仮想通貨(暗号通貨)に注目されるようになる、
ということです。
仮想通貨(暗号通貨)はまだまだこれから。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。