こんにちは、@マナです。
仮想通貨を安全に保管するために、一般的にはハードウェアウォレットの利用が推奨されている。もちろん、私も複数個持っていて、分散保管している。
まだまだ利用率が少なく、ハードウェアウォレットの仕組みがよく分からないと相談されることも多いので、このエントリーで大まかに解説しておく。
ハードウェアウォレットの仕組み
まず知っておいて欲しいのは、ハードウェアウォレットの端末自体は仮想通貨を保管するものではない。
ハードウェアウォレット端末は、あくまで自分の口座(ウォレット)を開くための鍵の役割である。この世界では”秘密鍵”と呼ぶ。
ハードウェアウォレット端末の中に秘密鍵が隠されている。
ブロックチェーンと秘密鍵の関係
仮想通貨に関わっていれば”ブロックチェーン”という言葉を聞いたことはあるだろう。
これは、「過去から今までの仮想通貨の取引状況を記録した膨大な帳簿・台帳データの集合体」である。ビットコインならビットコイン専用のブロックチェーン、イーサリアムならイーサリアム専用のブロックチェーンがあって、それぞれ独立している。
そして、64桁の英数字で組み合わさった文字列の”秘密鍵”を入力してブロックチェーンにアクセスすれば、その秘密鍵に対してどのくらいの仮想通貨が保管されているかの存在証明をすることができる。
銀行に例えて言いかえれば、ブロックチェーンは「大勢の銀行利用者のお金の出し入れを記録した巨大な台帳」で、秘密鍵は「自分の銀行口座番号・通帳・銀行印・キャッシュカード・暗証番号がセットになったようなもの」である。
皆さんが銀行ATMでキャッシュカードを使う例で考えてみよう。
「自分のキャッシュカードをATMに入れて暗証番号を入力」という行為は、その銀行の台帳にアクセスして、自分の口座にお金がいくら入っているのか見ることが出来たり、引き出したり送金することができるようになることを意味している。
これをもう1度仮想通貨に置き換えて考える。ブロックチェーンは「大勢の銀行利用者のお金の出し入れを記録した巨大な台帳」で、そこに秘密鍵でアクセスすることで、自分の口座にお金がいくら入っているか見ることができたり、引き出したり送金することができるようになる。
ここまでをまとめると、
- ブロックチェーンは「過去から現在までお金のやり取りを記録した巨大な帳簿」
- ウォレットとは「自分の口座」
- 秘密鍵とは「自分の銀行口座番号・通帳・銀行印・キャッシュカード・暗証番号がセットになったようなもの」
である。
そして冒頭にも書いたように、ハードウェアウォレットの中には秘密鍵が隠されている。
ハードウェアウォレットをUSBで接続してインターネットを介してブロックチェーンにアクセスすれば、自分の口座(ウォレット)を開くことができて、送受信をすることが出来るという仕組みである。
自分の仮想通貨資産を守るのは秘密鍵が自分で管理できる体制が必要がある
秘密鍵とは「自分の銀行口座番号・通帳・銀行印・キャッシュカード・暗証番号がセットになったようなもの」と書いたが、つまり、「自分の仮想通貨資産を守るには自分で秘密鍵を管理できる体制が必要である」と言える。
識者が「仮想通貨取引所には置きっぱなしにしない」と言っている理由は、自分で秘密鍵を管理できないからである。取引所側に仮想通貨を保管しているのは、自分の秘密鍵を預けているのと一緒で、いつどうなってもおかしくない状況だ。
過去にマウントゴックス取引所が大規模なハッキングに遭ってビットコインを盗まれて倒産した例があるが、その時に取引所内にビットコインを預けていた人は戻ってこないままである。
秘密鍵の管理の方法
「じゃぁ秘密鍵を自分で管理した方が良いのは分かったけど、長い文字列の情報をどこに保管しておけば安全なのか?」という疑問が起こる。
これは、紙に印刷して金庫に保管したり、デジタルデータにしてフォルダに入れてパスワードをかけるなど、人によって保管方法は様々である。ただ、紙の場合は火事になれば消えてしまうし、デジタルデータにすればインターネットジュで流出してしまうリスクもある。
ハードウェアウォレットのメリット
そこで登場したのがハードウォレット。
秘密鍵が隠された端末を作って、USB経由でインターネット上でブロックチェーンにアクセスできる仕組みが出来れば、紙やデジタルデータで管理する場合の紛失・流出リスクが軽減される。
しかも、ハードウェアウォレットとPC端末やスマートフォンを持っていれば、どこでも気軽に自分のウォレットを開くことができる。秘密鍵を紙やデジタルデータで持ち歩く必要もない。
「ハードウェアウォレットを紛失したらどうする?」という疑問が起こるが、これはハードウェアウォレットをオンにする時にパスワードが求められるし、複数回入力をミスすると端末がクリアになる仕様になっているので安全性は保たれている。
また、初期設定時に表示される24の英単語を入力すれば、ハードウェアウォレットを復元することが出来るようになっている。
(復元方法は当ブログ内の記事で解説している。→LedgerNanoSリカバリ →TREZORリカバリ)
つまり、ハードウェアウォレットは「手軽に秘密鍵を持ち運び、仮想通貨を管理できるもの」と言える。私はもはやこれ無しでは生きられません。
ハードウェアウォレットの使い方
「ハードウェアウォレットが秘密鍵になっていて、自分の銀行口座番号・通帳・銀行印・キャッシュカード・暗証番号の役割をしていることは分かった。じゃぁどうやってブロックチェーン台帳にアクセスするの?」という疑問が起こるだろう。
これは、各ハードウェアウォレットの会社がウェブブラウザ経由でアクセスできる状態を作ってくれている。
例えばTREZORなら、以下のような手順になる。
TREZOR利用の流れ
- TREZORのウォレットページをインターネットで開く
- PC(またはスマホ)にUSBでハードウェアウォレットTREZORを接続
- パスワードを入力
- ウォレットが開いて送受信できるようになる
このようにとてもシンプルだ。LedgerNanoSでも同じ流れになる。
ではここから、実際の画像を交えて大まかに解説しておく。
LedgerNanoSの使い方の流れ
それではビットコインのウォレットを開いてみよう。
本体の初期設定完了後、グーグルクロムのLedgerビットコインブラウザアプリを立ち上げる。
LedgerNanoS本体をPCにUSB接続して、PINコードを入力。
ハードウェアウォレット本体には基本的に2つのボタンがあり、左右のボタンは選択や数字の送り、両方のボタンを同時に押すことで決定、となる。
PINコードを解除したら、ビットコインアプリを選択して左右ボタン同時押し。
すると、ブラウザ上のビットコインウォレットが開く。とても簡単だ。
このウォレットにビットコインを受信させたい場合は、「受信」をクリックして、
アドレスを取得できる。取引所などからこのアドレスにビットコインを送るだけでOK。
送信の場合も簡単で、
送り先のアドレスとビットコインの数量を入力、手数料を高い~低い、またはカスタムで設定して、送信ボタンをクリック。その後、ハードウェアウォレット端末にも「送って良いか?」という表示がされるので、ボタンを押して送信完了。
大体こんな流れである。使い終わったらハードウェアウォレット端末をUSBから引っこ抜くだけだ。
ちなみに手数料は高く設定すれば10分程度で送受信完了するが、低にすると1時間以上かかることもある。手数料が高いほど送受信が速くなる仕組みである。
LedgerNanoSで管理できる仮想通貨の種類
LedgerNanoSで管理できる仮想通貨の種類は、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、リップル(XRP)、イーサリアム、イーサリアムクラシック、イーサリアムトークンである。
もちろん、1台でこれら全ての仮想通貨種を管理する事が出来る。
現在リップル(XRP)対応のハードウェアウォレットはLedgerNanoSのみであり、TREZORよりも価格が安く需要は高い。私は分散保管と予備の目的で6台所有している。
LedgerNanoSの購入先
LedgerNanoSはアマゾンと海外公式サイトから購入できる。
基本的には突然の故障に備えて予備を1台持っておくべきで、2台購入する人が多い。
注意点は、中古や個人の出品者(ヤフオクやメルカリなど)、正規代理店以外からは購入してはいけないことである。
不正プログラムを仕込まれていたり、基盤が差し替えられている可能性があるので、そういったものを掴んでしまった場合は、ハードウェアウォレットとはいえ、仮想通貨資産を盗難されてしまうリスクが高くなる。
よって、一番安全な購入方法は海外公式から直接の方が良い。
(海外の公式サイトでの購入手順はこちらの記事で解説している。)
海外からの購入が不安であれば、日本唯一の正規代理店として株式会社Earthshipさんが認定されています。海外直接より少し割高になりますが、サポートも受けられるのでこちらからの購入も安心できます。
TREZORの使い方
TREZORの場合もLedgerNanoSとほとんど変わらない。
TREZORのウォレットページをブラウザで開いて、USBでTREZOR端末を接続すると、PINの入力を求められる。
初期設定で決めたPINをブラウザ上でクリックして入力する。
ウォレットが開く。これだけでOKだ。使い終わったら端末をUSBから引っこ抜くだけ。
送受信の方法はLedgerNaのSまったく同じなので、省略する。
TREZORで管理できる仮想通貨の種類
TREZORで管理できる仮想通貨種類は、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、Dash、ライトコイン、Zcash,イーサリアム、イーサリアムクラシック、イーサリアムトークン。
私はビットコインの保管用にTREZORを利用している。LedgerNanoSでも保管はできるのだが、1台のハードウェアウォレットに全ての資産を入れておくことは、それはそれでリスクは高いと思っているからだ。
TREZORの購入先
TREZORもアマゾンや海外公式から購入できる。
こちらはLedgerNanoSと違って、箱に厳重な封印シールがされてあるので、開封したかどうかが一目瞭然。アマゾンで購入しても問題はほとんど無いと言える。(その代わりちょっと高い)
安さを求めるなら海外公式からがお勧めで、こちらはビットコイン決済での購入も可能である。
(TREZORを海外公式サイトで直接注文する方法は、こちらのページで解説している)
さいごに
コインチェック取引所では2段階認証をしていれば、100万円までの仮想通貨資産は補償してくれるが、他の取引所では補償は無い。
仮想通貨は銀行と違って、自分で自分の資産を守る意識を高くする必要があるため、どうすればハッキング被害を防止できて、安全に管理できるのか、よく考えておくべきだと思う。
その選択肢の一つとして、ハードウェアウォレットについて理解しておくと良いと思う。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。