こんにちは、@マナです。
昨日はテックビューロ社主催によるCOMSAのICOが話題になっていましたが、投資対象として一晩考えた末の疑念とメリットを挙げてみようと思います。
目次(各見出しにジャンプできます)
トークン価値が投資額に対して最初は実質半額近くなる?と言われている点について
ICOに参加するからには、皆さん最終的には儲けたいですよね。
ということでホワイトペーパーのトークンについての記載を読んでみましょう。
- トークンセールの参加者は、1USD相当の購入に対して、1 COMSA(シンボル:CMS)トークンを取得する。セール時には発行数の上限は設定されない。
- トークンセール終了時、トークンセール参加者に発行されるトークン数と同数のトークンが追加発行され、総発行数はそこでロックされる。言い換えれば、申し込み数を100%とした場合、もう100%が追加発行されることとなる。
- この追加発行された100%を分母として、そのうち10%がトークンセールのリフェラルボーナスとして紹介者に配布され、40%は既存のテックビューロ経営陣、ステークホルダー、開発者、従業員、契約社員、そしてCOMSA ICO協議会営に配布される。50%はテックビューロが保持し、将来の開発、将来の配布、マーケティング、パートナーシップ、報酬、事業拡大などにあてがわれる。
- 結果として、総発行量の55%がトークンセールの貢献者に配布されることとなる。
- COMSA自身のトークンセールに関しては、それに参加したCMSトークン保有者に、以降COMSAプラットフォームにてICOを実施するプロジェクトにおいて、CMSトークンを払込手段として使用した場合に5%の追加ボーナスが付与される特権が得られる。
- またCMSトークンの保有者に対しては、今後のICO案件において特別なクローズドのプレセールへ招待される特権が付与される予定である。
↑気になる部分です。
何が気になるかといえば、ICO参加者は1USD相当の出資に対して1CMSトークンを得られるのですが、同時にテックビューロ社と運営陣も約1CMSトークンを得られる仕組みになっていることです。
テックビューロ社と経営陣のトークン利用目的は、ホワイトペーパーに書かれている通り、将来的に売ってお金に換えることを目的にしています。
つまり、1USD相当(約109円)の出資に対して得られる1CMSトークンの実質的な価値は、ICO直後は瞬間的にほぼ半額(約55円)になるように見えます。
ただし上場後の相場は1ドル以上になるでしょう。
誰も原価割って売りたくありませんし、市場価値は実質的な理由ではなく、人の心理や期待感・需要・供給で決まりますので。他の仮想通貨も全て将来の期待感と需要・供給で値動きしてますからね。
懸念するべきと思われる点は、ICO終了と同時に発行されたトークン全ての約半分をテックビューロ社と運営陣が保有することになりますから、将来的にどこかのタイミングで売りに出されることです。
ICO参加予定者の中には「将来的な価格調整の目的だと思うのでメリットに感じる」という意見もありますが、現実的には「CMSが将来的に経営陣に売られる=トークン価値が下がる=ICO参加者の利益が減少する」です。
普通、多くのICOの場合は、ICOで集まった資金から開発費、経営陣への報酬が支払われるタイプが多いです。トークン総発行量の半分も運営陣が握るケースはそうそうありません。
しかし今回の場合は出資額に対してトークンが倍量発行されて、それを運営陣にも配布するタイプ。
一見するとICO参加者の利益を守ろうとするスタンスがあまり感じられません。が、考え方によってはプラス要素です。この理由は後述します。
トークンについての書かれたホワイトペーパーの位置について
COMSAのホワイトペーパーでは、トークンに関することがほぼ冒頭部分に書かれています。
今までいくつかのホワイトペーパーを読みましたが、それらの前半部分はICOについての概要や目的にフォーカスした記載であります。ですが、COMSAについては話の流れがいきなりトークンについてでした。
皆さんはこの意図をどう考えるでしょうか?
私には、不利な点を最初に挙げておいてから、後半はCOMSAの理念や将来性、システム、ユースケースに関する事を書いて、共感を得てコンバージョン(成約)を促すようにしてるのかなと判断します。
これ、成約を上げる為によく使われるテクニックなんですよね。
デメリットを最初に挙げてからその後はメリットで締めくって射幸心を煽って成約させる手法は昔から使われています。
運営陣もトークン発行量についてのデメリットは理解しているでしょうから、あえてホワイトペーパーの冒頭に書いたんじゃないかと思われます。
トークンの発行量に制限が無い
COMSAのトークンは売り切れがありません。ICO終了時点で発行はロックされますが、出資された額に応じた分のトークンが無制限に発行されます。
つまり、誰もがトークンを手に出来る仕組みですので、短期で考えれば希少価値は生まれません。
他のICOだとトークンの発行上限が決まっているタイプが多く、「30分で売り切れた」なんてケースがよく見られます。こういうICOのトークンは上場後1カ月以内に価格が数倍まで高騰することが多いのですが、COMSAのトークンにはこれが一切期待できません。
また前述したように、CMSトークンの実質的な価値は出資額に対して瞬間的には半額です。
運営陣がすぐに売りに出すことは無いとは思われますが、将来的には売りに出されることになりますので、大幅な値上がりは短期では期待できないことが考えられます。
ただし、仮想通貨やトークンの価値は実質的な理由よりも、需要と供給、買う人と売る人によって決まります。
将来性の期待値が高いほど相場が上がる傾向にありますから、Zaif(ザイフ)取引所に上場された途端に高値になる可能性も考えられます。
売買板が薄くなる、短期でリターンは得られにくい懸念
CMSトークンの上場はZaif取引所になりますが、しばらくの間は売買板が薄くなる可能性があります。
誰もが手に出来るトークンですし、上場してすぐに「買いたい」と思う人は少ないでしょう。また、ICOに参加した人も将来的な値上がりを期待している以上、売りに出す人も少ないと思います。
結果的に、トークンが上場されても、しばらくの間は流動性はほとんど生まれない状況になることが考えられます。
ゆえに短期でのリターンは得られにくいかもしれません。そこそこの大きなリターンを得る為には2年~3年スパンで考える必要があるかなと。
つまり、リターンを得る為には、COMSAのICOに出資するお金をしばらく動かせないということになります。
他にも沢山の仮想通貨(暗号通貨)が上場されていて、それらの価値が上がっていくのを横目で見ながら長い間ホールドし続ける忍耐力が必要になるかもしれません。
紹介者ボーナス制度が存在する点について
COMSAのICOは紹介者ボーナス制度があります。
COMSAのICO参加予定者が、ダッシュボードページで発行されるICOページへのリンク経由で他人からの出資が得られれば、紹介者には5%のトークンボーナスが付与される仕組みです。(つまりアフィリエイトと同じ)
つまり、特にCOMSAトークンで儲けたい人が、ポジティブトークを加えながらCOMSAのICOを紹介する状況が生まれます。
この状況が生まれると、ネガティブな発言や要素についての情報は拡散されにくくなってしまいます。
考えてみてください。あなたが誰かに商品を買ってもらいたい場合、わざわざネガティブな発言をすることはあまりしませんよね。
ネガティブな発言をするにしても、前述したとおりデメリットを最初に挙げておいて、最後にメリットを述べてから「だから私は購入するしお勧めする」という締めくくりにするのではないでしょうか。
ゆえに、COMSAの運営陣がなぜこの制度を導入したのかを考える必要があるでしょう。経営陣が優秀な人達とのことですので、おそらく分かっててこの仕組みを導入していると思われます。
私が思うに、COMSAの資金ターゲットは、まず日本の仮想通貨購入者層メイン。
日本国内にてSNSやウェブメディアを通じて紹介されやすい状況を作って、COMSAのICO認知度を増やしたいのかと思います。
「日本国内企業へブロックチェーン技術導入を促して、気軽にICOをして新サービス開発に取り組んでもらいたい」という意図でしょう。
ただ、ICOページやホワイトペーパーは英語版も用意されていることから、海外投資家の需要も考えてはいると思います。日本で話題になれば「日本で凄い話題になってるICOがあるぞ」と海外で注目されるかもしれません。
私はこの点に関しては共感します。
日本国内企業でCOMSAプラットフォームを利用したブロックチェーン技術の導入が促進されれば、仮想通貨(暗号通貨)購入層が増え、結果的にはNEM(XEM)・ビットコイン・イーサリアムの購入も増えていくでしょう。
海外のお金も日本に呼び寄せることが出来ますし、日本国内でICOを行う企業に注目を集められる可能性も生まれます。
【追記】
8月7日以降、海外のマーケットへの宣伝活動も行うそうです。ロシアで話題になり始めたらしく、COMSAのコミュニティには既に数百のロシア人登録者がいるようです。
ICOスタートの10月までまだ2カ月近くありますので、これからいろんな国から注目されていくことになりそうです。
ICO市場で最大のロシア人コミュニティにもう補足されてしまったようで、Telegramロシア語グルーブは一瞬で数百人になり、ツイッターのフォロワーも数百人増えるという。ロシアのICO市場はとてつもなくデカいです。
— Takao Asayama 🔗 朝山貴生 (@TakaoAsayama) 2017年8月6日
COMSAが成功することによって将来的に得られるメリットについて
以上、私が感じたCOMSAのICOの投資対象としての疑念や問題を挙げてみましたが、投資対象として考えるにはメリットについてもよく考える必要がありますので箇条書きで挙げておきます。
COMSA成功で得られると思われる将来的なメリット
- 日本国内企業が気軽にICOを行う事ができる環境が生まれる
- ブロックチェーン技術の導入促進で日本国内で新サービスがどんどん生まれる
- ICOに向けてNEM(XEM)、ビットコイン、イーサリアムの購入が増える
- 仮想通貨(暗号通貨)の認知度が日本国内で促進される
- CMSトークンは短期で値上がりする見込みが小さいので、プロジェクトを長く応援するサポーターが増える
- テックビューロ社の資金力や技術力が上がるのでmijinの開発力も増し、結果的にNEM(XEM)の価値も上がりやすくなる
- Zaif(ザイフ)取引所も盛り上がる、流動性が増す
パッと思いついたメリットをいくつか書いてみましたが、COMSAに出資する場合は長い目で見守る必要がありそうですね。数カ月程度の短期では儲けられる可能性はかなり低いと思います。
トークン発行量倍化によるトークン価値の希薄化、半分を運営陣が得る仕組みについては一見疑問に感じますが、「長く確実にCOMSAを開発していく為に開発資金の担保が必要」と考えたのかもしれません。じゃなきゃこんなトークン発行の仕組みは行わないんじゃないかな、と考えます。
結果的には現在既に参入している仮想通貨(暗号通貨)購入層、特にNEM(XEM)ホルダーは恩恵を受けられる可能性も高くなるかもしれません。
テックビューロ社がCOMSAでやろうとしていることは良いと感じますから、ICOへ参加するなら未来への投資かな、と。
何より、Zaif取引所の運営状況は良好だと感じますし、CEOの朝山さんも活発、私はテックビューロ社自体が良い会社だと感じています。海外で頻発してるICOよりは遥かに信頼感があります。
COMSAのICOに参加・出資する場合は、COMSAの成功を願うことの他に、テックビューロ社へ投資する機会として考えると良いかもしれません。
数年先の未来を考えて出資するならそれなりに納得のできるICOだな、と、このエントリーを早朝に書きながら思いました。うん、悪くないかも。むしろ海外のICOに比べるとまともと言えそうです。
運営陣がトークンを得る理由を、ICO参加者へもメリットがあるようにホワイトペーパーに書いてくれれば良かったかもしれませんね。(そういう目的であって欲しいと願いますが)
私はテックビューロ社へ投資という意味で、NEM(XEM)で参加したいと思います。今NEMを買い増しておけば、ICO開始時にはNEMは値上がりしていると思われますしね。
1ドル相当に対して1CMSトークン配付制ですから、10月2日まで値上がりすると思われる通貨を今から準備しておくのも良いかもしれません。
以上、ご参考頂ければ幸いです。
【関連エントリー】
「CMSトークンが実質半値になる?」という点に関して、以下のエントリーで深堀りしてみました。ご参考頂ければ幸いです。
COMSAトークン(CMS)の価値について
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。