こんにちは、@マナです。
コメントに「仮想通貨(暗号通貨)を保管するハードウェアウォレットが故障した場合はどうなりますか?」とご質問を頂いたので、解説しておきます。
ハードウェアウォレットが故障しても保管している通貨は新しいウォレットで復活できる
結論から言うと、ハードウェアウォレットが故障しても、新しいハードウェアウォレットがあればすぐに復活させることができます。
例えば、ハードウェアウォレットを購入して、ビットコイン・イーサリアム・リップル(XRP)などをそれに保管したとしましょう。
そして突然故障して動かなくなった。
この場合は、ハードウェアウォレットを初期設定する時に表示された英字24単語を、新しいハードウェアウォレットの初期設定時に入力するだけで、保管した仮想通貨(暗号通貨)は復活させることができます。
ハードウェアウォレットの仕組み
ハードウェアウォレットで仮想通貨を保管する仕組みを簡単に説明しておきます。
まず初めに言うと、ハードウェアウォレットの中に仮想通貨が入っているわけではありません。ハードウェアウォレットは、仮想通貨が入っている金庫を開ける鍵のような役割をしているだけです。
これを仮想通貨では”秘密鍵”と言います。
ウォレットアプリとハードウェアウォレット2つを利用して、仮想通貨を保管したり送受信できるようになっています。
では仮想通貨はどこに入っているかというと、ブロックチェーンの中に入っています。ブロックチェーンは今までの仮想通貨の送受信全体を記録した巨大な金庫だと思ってください。そこに自分の鍵を使うことで、自分の金庫の中身を見て、手持ちの通貨を送受信できる仕組みです。
ウェブウォレットや取引所管理の場合
ウェブウォレットや取引所管理だと、この秘密鍵を自分で管理できないので、余程信頼のおける機関が運営してないと怖いんですね。これらに仮想通貨を預けていて、突然閉鎖されたりハッキングされたら資産は闇の中です。
具体例を挙げると、リップル(XRP)の有名なウェブウォレットであるGatehubは、2段階認証設定をしていたのにハッキングされて盗まれる事件が起こりました。いろんな通貨を保管できる”Jaxx”という有名なデスクトップウォレットも、先日セキュリティの脆弱性をつかれて利用者の通貨が盗まれています。
ですが、ハードウェアウォレットであれば、秘密鍵が外に漏れ出る心配もほとんどありませんので、現状では一番手軽かつ安全な保管方法となっています。
ハードウェアウォレット利用の流れ
具体的に解説していきます。
↑これは有名なハードウェアウォレットの1つ、LedgerNanoS(レジャーナノS)のビットコインを管理する「Ledger Wallet Bitcoin」のアプリです。PCにインストールして使うものです。
アプリを立ち上げた段階では、ウォレットの中を見ることができません。
そこで、USBでPCにハードウォレットを接続すると、
ウォレットが開いて、送受信できるようになります。
このように、ハードウェアウォレットが金庫の鍵のような役割をしています。
つまり、『秘密鍵がハードウェアウォレットの中に隠されていて、ウォレットアプリを立ち上げている時にハードウェアウォレットを接続すると、ウォレットが開けるようになる』という仕組みになっています。
ちなみにハードウェアウォレットは充電不要で、USB接続で電源を得る仕組みになっています。
ハードウェアウォレットが故障した場合
ではハードウェアウォレットが故障した場合はどうなるか。
これは、ハードウェアウォレットを初期設定する時に、英語の24単語が表示されますので、それを新しいウォレットの初期設定時に入力すれば、故障前と同じ秘密鍵を復元できる仕組みになっています。
リカバリー操作を前と同じ秘密鍵を得たハードウェアウォレットを作ることができますので、仮想通貨が入っている自分の金庫を開けることが出来ます。
故障から復元の手順を具体的に解説
分かりにくいと思うので、具体的に手順をざっくり解説してみます。
ビットコインやリップル(XRP)、イーサリアムを送受信しようと思ったら、あなたが持っているハードウェアウォレットのLedgerNanoSが壊れていました。
そこで予備で買っておいたLedgerNanoSをリカバリーします。
新しいLedgerNanoSをPCに接続すると、「新しいデバイスとして設定するか?」と聞かれるので、「×ボタン」を押す。
「Restore configuration?(設定を回復するか?)」と聞かれるので、チェックマークボタンを押す。
そして、壊れる前に初期設定した時に表示された24単語を入力していく。
24単語が間違いなく入力できたら、「準備完了!」の表示が出る。
これで故障前のハードウォレットが復元できた。
自分の仮想通貨ウォレットを開くことができる。もちろん元通り。
こんな流れです。
「難しいんじゃないか?」「自分に使えるのか?」と心配されていると思いますが、実際やってみると「な~~んだ、簡単だし便利じゃない」となりますよ。
取引所管理よりも安心ですので、倒産や盗まれる心配もなく、安心して過ごすことが出来ます。
ただし、初期設定時の24単語をしっかり保管することがポイントになります。
これを無くすと、故障した場合はリカバリーすることが出来なくなりますので、複数の住所に置いておくなりの対処が必要になります。
どのハードウェアウォレットを使うべきか
どのハードウェアウォレットを使うかですか、現状ではLedgerNanoS(レジャーナノS)か、TREZORという機種になります。
それぞれ保管できる通貨が異なりますので、ご自分の保有通貨に合わせて選びましょう。
ハードウォレット1つで、複数の仮想通貨を保管することができます。
現状ではハードウェアウォレットは以下の2種類が多く利用されています。
LedgerNanoSで保管できる通貨
価格、簡便性、操作性ともに一番お勧め。リップル(XRP)を保管できる唯一のハードウェアウォレットでもあります。
通常、ハードウォレットは故障した際の予備を持っておくべきです。特に仮想通貨を購入する人が増えて、よく品切れになりますので、1本だけの購入はお勧めしません。
なお、私はアマゾンでの購入はお勧めしておりません。出品者の信頼性が分からないですし、マルウェアやウイルスを仕込まれているリスクがあるからです。ですので、Ledger社公式サイトから直接注文しています。価格はほとんど変わりません。
読者さんでアマゾンから購入された人が、「新品未開封で届いたものがフィルム剝げ4隅をテープで止められて裏面全部シールされていた」との報告がありました。直接購入しないとこういうリスクがあることを伝えておきます。
(海外公式サイトからの注文方法が分からない場合は、こちらの記事で解説しています。
海外からの購入が不安であれば、日本唯一の正規代理店として株式会社Earthshipさんが認定されています。海外直接より少し割高になりますが、サポートも受けられるのでこちらからの購入も安心できます。
TREZORで保管できる通貨
TREZOR公式サイトから直接購入することもできます。107ユーロ+送料含めると、アマゾンで購入するよりは1500円ほど安く購入できますが、納期は10日前後かかります。
(一応、TREZOR海外公式サイトからの注文方法解説ページを作りましたのでご参考にどうぞ。)
私はLedgerNanoSを6台、TREZORを2台、LedgerBlueを1台持っています。
LedgerNanoSが多いのは、自分の分と妻の分、分散保管用と故障した際の予備です。(ハードウェアウォレットは故障した際の予備は絶対必須!1台しか持って無くて故障した場合、品切れだとすぐに入手できないことがあります。)
仮想通貨(暗号通貨)の管理は日本の銀行と違って、すべて自己責任の管理となります。ですので、油断せずにしっかり管理する体制を築く必要があります。
銀行の代わりを自分でやるので、それなりの管理コストがかかるのは仕方ないことです。
皆さまの大切な仮想通貨資産が安全に守られますように。
このブログを書いている人

@マナです。貯金1000万円で2017年から仮想通貨(暗号通貨)売買を開始。座右の銘「外そう、自分のリミッター」。